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2016年8月24日 (水)

「第五百三十二話」

「ね、ねぇ!ちょっと!帰るって、どう言う事!?」
少年。
「その言葉通りだ。少年。」
正義のヒーロー。
「僕を助けに来たんじゃないの!?」
「ああ、その通りだ。」
「だったら、何で帰るだなんて言い出すの!?」
「そのつもりだからだ。」
「意味が凄く分からないよ!」
「少年、これは物凄く理にかなっている事だ。」
「難しい事を言われても分からないよ!」
「少年、私は必ず明日、少年を助ける!」
「はあ!?」
「では!」
「帰らないでよ!意味分かんないよ!何で今日じゃなくて明日なんだよ!明日助けに来るなら、何で今日来たんだよ!」
「正義のヒーローとして明日、確実に少年を助ける為にだ。正義のヒーローに失敗は許されない。その為の下見が大事なんだ。少年が、どんな場所に、どんな悪が、どんな目的で、どんな風に少年を監禁しているのかを知る為だ。」
「ちょっと待ってよ!明日、助けてくれるなら!今日でもいいじゃないか!」
「それは無理だ!」
「何でだよ!無理って何なんだよ!それに、僕には明日は無いかもしれないじゃないか!今日、殺されちゃうかもしれないじゃないか!」
「大丈夫だ、少年!」
「何が?」
「明日は、必ずやって来る!そして、私が必ず助け出す!」
「それ今日にしてよ!」
「さらばだ!」
「行かないでよーっ!!」
涙で滲む少年の眼差しの先には、夕陽に向かって飛び去って行く正義のヒーローの姿が映っていた。

第五百三十二話
「明日マン」

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