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2016年10月19日 (水)

「第五百四十話」

「さてさてさてさてさてさて!今日は、この街を歩いてみたいと思います!この街は、初めて訪れましたけど、なかなか、なかなかですね!あ、何だか不思議な佇まいのお店さんを早速発見しちゃいましたよ!ちょっと行ってみましょう!行きましょう行きましょう!あのう?お邪魔します。」
なかなかなアイドルのなかなかな顔立ちのなかなかな散歩番組がスタートした。
「いらっしゃい。」
なかなかな頑固おやじ店主が出迎えた。
「このお店さんは、だいぶ古い感じがするんですけど、どのぐらい前からやってるんですかぁ?」
「この地球が爆誕する前からだ。」
「ええ!?この地球が爆誕する前からここでお店さんやってるんですか!?でもそれってぇ、一体どうやってお店さんが存在してたんですか?宇宙を漂ってたんですかぁ?」
「宇宙を、漂ってたんだ。」
「宇宙を漂ってたら、偶然に地球が爆誕しちゃったんですか!?」
「まあ、そうだな。」
「そうするとぉ、ご主人で何兆代目なんですか?」
「初代だ。」
「初代!?アタシ、地球より年上の人に、初めて会いました!?ん?人でいいんですよねぇ?」
「ああ、人で構わない。」
「あのう?握手してもらっていいですかぁ?」
「断る!!」
「ギャフン!!」
「これはあれか?撮影か?」
「はい!ガリガリお散歩って番組ですぅ!ご存知ですかぁ?」
「ああ、知ってるよ。毎月、9の付く日の4時44分の早朝に44分44秒やってる番組だろ?」
「そうです!」
「9月は毎日やってる番組だろ?」
「そうですそうです!ご主人、もしかしてこの番組のファンですかぁ?」
「違う!!」
「ギャフン!!」
「で?」
「でぇ、今回はぁ、この街をガリガリお散歩しようとやって来てぇ、このお店さんが気になって入ったのです!そしたら、地球が爆誕する前からやってたって言う、何かとてつもなく今まで偉い学者さん達のいろいろを覆す答えが返って来たのです!」
「そうか。それは、凄い事なのか?」
「凄いですよ!きっとこの出会いはぁ、この番組が何かしらの名誉ある賞を獲っちゃいますよ!」
「で?」
「でぇ、そうだそうだ!本題に入りましょう!このお店さんは、店内を見る限りですとぉ、何も置いてませんが、何を売ってるお店さんなんですか?」
「見ての通りだ。」
「見ての通りだと言いますとぉ?」
「何も売ってない。」
「何も売ってない!?」
「何も売ってない店だ。」
「そそそ、それはお店さんとして成立するんですか?」
「今の世の中ってのはさ。どの店も何かしらの商品を売ってるだろ?でもな?こんな世の中だから、こんな世の中だからこそ、一軒ぐらい何にも売ってない店があってもいいんじゃないかって思ったんだよ。そんな店が存在してもいいんじゃないかって思ったんだよ。今の世の中は、どの店も何かしら売ってるからな。」
「はあ?」
「今の世の中ってのはさ。どの店も何かしらの商品を売ってるだろ?でもな?こんな世の中だから、こんな世の中だからこそ、一軒ぐらい何にも売ってない店があってもいいんじゃないかって思ったんだよ。そんな店が存在してもいいんじゃないかって思ったんだよ。今の世の中は、どの店も何かしら売ってるからな。」
「はあ?」
「今の世の中ってのはさ。どの店も何かしらの商品を売ってるだろ?でもな?こんな世の中だから、こんな世の中だからこそ、一軒ぐらい何にも売ってない店があってもいいんじゃないかって思ったんだよ。そんな店が存在してもいいんじゃないかって思ったんだよ。今の世の中は、どの店も何かしら売ってるからな。」
「ん?んん?んんん?分かりました分かりました!ご主人の考えは分かりました!それぇ、もう大丈夫ですぅ。このお店さんは、何も売ってないお店さん、と言う事ですねぇ。」
「ちげーよ!!」
「ギャフン!!どどど、どう言う事ですか!?散々、あんな事言っといて、どどど、どう言う事ですか!?」
「この店はな。地球を売ってんだ!」
「ありゃまっ!!それはもう、ありゃまっ!!ですよ!ご主人!?それはつまり、ご主人は、神様なんですか!?」
「そうだ。」
「ありゃまっ!!それはもう、ありゃまっ!!ですよ!ご主人!?かかか、神様!?アタシ、かかか、神様に初めて会いました!握手してもらっていいですか?」
「断る!!」
「ギャフン!!」
「で?」
「でぇ、地球を売ってるってぇ、地球って一体いくらで買えるんですかぁ?」
「気になるか?」
「気になって気になって、食事もノドを通らなくて、もっともっとガリガリになっちゃいますよぉ!」
「そんなに高いもんじゃない。」
「そうなんだ!?」
「火星2つだ!」
「ギャフン!!もはや単位が分からないし、火星って2つ無いし!?買えないじゃないですか!」
「火星が2つ無い?」
「無いですよね?あるんですか!?そう言う偉い学者さん達が長い年月を費やした功績をいとも簡単に覆しまくらないであげて下さい!」
「で?」
「でぇ、例えばぁ、アタシが火星2つ支払って地球を購入するとしますよね?そうするとぉ、どうなるんですか?アタシは、地球の王になれるんですか?」
「何一つ変わらん!!」
「ギャフン!!ちちち、地球を購入したのに!?ライフスタイルに何一つ変化無し!?」
「地球は、誰のモノでもない。たかが地球を購入したからと言って、自惚れるな!!」
「買ったんですよ?アタシ!地球の所有権を手にしたのに、地球は誰のモノでもないんですか!」
「そうだ!地球とは、爆誕した時からそう言う存在だ。強いて言うなら、地球は地球のモノだ。ただ、お前が地球を購入したんなら、その時はお前に名誉ある称号が与えられる。」
「名誉ある称号?このお店さんの二代目なら、お断りよ!!」
「ギャフン!!」

第五百四十話
「迷走中でも新作を」

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