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2016年11月 9日 (水)

「第五百四十三話」

「博士?」
「じょ、助手!?いつの間に!?」
「その強盗に出会ったぐらいな驚愕リアクションは、おかしいでしょ!助手なんですから、ここ最近はずっと博士の傍にいたでしょ!って、そんな事を言いたいんじゃないんです、僕は!」
「では、何が言いたいんだね?」
「博士は、それこそここ何日間も研究室に籠もって、一体何を作ってるんですか?ここ何日間も傍でサポートしてますが、僕にはそれが何なのか全く分かりません。」
「見て分からないか?」
「ええ、もはや見ても分からないから、ええーい、この際このタイミングで聞いてしまえと思ったんです。」
「では、キミにはこれが一体何に見える?」
「はい、ゴミの塊にしか見えません。」
「戦争反対!」
「はい?」
「そうだな。ゴミの塊にしか見えないな。」
「そうなんですか!?」
「え?そうだけど?」
「え?つまり博士は、ここ何日間も研究室に籠もって、ゴミの塊を作ってたんですか?」
「え?そうだけど?」
「え?何で?何かを作ろうとして結果的にゴミの塊になったのではなく、どうして、あえて最初からゴミの塊なんかを作ってるんですか?」
「いいか?これは、ただのゴミの塊ではない!!」
「うっさ!?」
「このゴミの塊はな!!」
「いや、うっさいですってば!」
「このゴミの塊はな。」
「それぐらいでお願いしますよ。」
「このゴミの塊はな!!」
「うっさ!?え?何で?どうしてまた、ボリュームアップ!?」
「このゴミの塊はな。」
「この会話がゴミの塊ですよ!」
「このゴミの塊はな!!」
「え?それでもまだ続けてる!?」
「戦争反対!」
「はい?」
「絶対に燃えないゴミの塊だ!!」
「だからうっさ!?え?絶対に燃えないゴミの塊?」
「コーヒーを淹れてもらえるか?」
「いやいやいやいやいや!まだ何も解決していない!だから、コーヒーはまだ、おかしいでしょ!」
「ワシはな。定期的にコーヒーを飲まないと死んでしまう病なんだよ。長年助手をしてるキミなら分かるだろ?」
「長年助手をしていて博士から初めてコーヒーを淹れてくれって言われたから分かりません。」
「戦争反対!」
「それ何なんですか!さっきっから、ちょくちょくぶっ込んで来るそれ、何なんですか!明らかに会話に関係ありませんよね?」
「いいか?こうやってたまに戦争反対と反戦運動してるとな。のちに良い事が舞い込んで来る。」
「マンツーマンの会話の中で運動したってダメでしょ!もっと公の場で大々的にやらなきゃ、単なるおかしな人止まりですよ!」
「戦争反対!」
「だから!」
「なぜ、ワシが絶対に燃えないゴミを開発したのかと言うとな。」
「ほら、会話が成立しない。博士の反戦運動は邪魔なんですよ!」
「おい!ブラックジョークにも程があるぞ!」
「僕を悪者にするのは、おかしいでしょ!」
「では、そろそろコーヒーを淹れてもらえるか?」
「何一つ前進してないのに!?さっきのコーヒーを淹れてもらえるか?の下りから、何一つ変化してないのに!?」
「何が聞きたいんだよ!」
「何で喧嘩腰なんですか!?いや、聞きたい事は、さっきから伝えてるじゃないですか!」
「だから!こうして、反戦運動してると、何か賞をもらえると思ってだな。」
「それじゃない!そっちの志の方じゃなくて、この絶対に燃えないゴミの方!」
「キミは、分からないのか?それこそ長年助手をしていて、この開発の偉業を理解してないのか?」
「正直、これに関しても全く理解不能ですね。」
「単純に凄くない?」
「ん?そこもっと具体的にお願いします。」
「いやだから、単純に凄くない?」
「ええ、ですからそこをもっと具体的に掘り下げてお願いします。その凄さの詳細をです。」
「さてと、コーヒーを淹れてもらえるか?」
「コーヒーを淹れたら、詳細を話してくれるんですね!」
「ワシはな。定期的にコーヒーを飲まないと死んでしまう病と同時に、コーヒーを飲んだら一週間は眠ってしまう病も患っているのだよ。」
「じゃあ、絶対にこのタイミングで淹れないよ!」
「ケチ!!」
「うっさ!?ケチ、うっさ!?」
「ドスケベ!!」
「うっさ!?ドスケベ、うっさ!?いや、ケチも違うけど、ドスケベはもっと違うでしょ!」
「変態教師!!」
「うっさ!?変態教師、うっさ!?いやいやいや、誰が変態教師ですか!どう言う時間軸ですか?」
「10月15日、9時29分の時間軸でお送りしているけど?」
「じゃあ、二人が同じ時間軸に存在してるなら、僕を変態教師扱いは、おかしいでしょ!」
「悪口に時間軸は、関係ない!」
「悪口のクオリティーを逸脱し過ぎてて、単に会話の成立しないおかしな老人ですよ?」
「誰が老人だよ!」
「博士がだよ!立派な老人でしょうが!」
「照れるなぁ?」
「誉めてませんよ。」
「誉めろ!」
「そんなエッジの効き過ぎたキレ方しないで下さい!それから、マジで何なんですか!この何日間も研究室に籠もって開発した絶対に燃えないゴミの塊は!」
「戦争反対!」
「戦争反対!」
「いやだからな。単純に、絶対に燃えないゴミの塊って、凄くないか?絶対に燃えないんだぞ?」
「その絶対にって、どのぐらい絶対になんですか?」
「いや、絶対には、絶対にだろ。」
「つまり、どんな事をしても燃えないって事ですか?」
「分かりやすく言うと、この地球が全焼してもこのゴミだけは、宇宙ゴミとして漂ってるだろうな。」
「いやそれは果たして、分かりやすくなんでしょうか?」
「それぐらい絶対になんだよ!」
「どれぐらいかピンと来ませんが、絶対に燃えないなら凄いです。」
「コーヒーを」
「淹れないよ!まだ!」
「コーヒー淹れない病?」
「コーヒー淹れない病ではないです!つまり、この絶対に燃えないゴミの塊の技術を応用すれば、絶対に燃えない様々なモノが作れると言う事ですね?例えば、絶対に燃えない家とか、絶対に燃えない紙とか、だとしたら博士!それこそこの発明で賞がもらえますよ!」
「ゴミの塊で賞をもらえるとは、ウハウハだな!」
「いや、ゴミの塊のままではどう考えても無理でしょ。ゴミの塊として疎まれて終わりです。この技術を応用しないと!」
「それは、無理!」
「何でですか!」
「ゴミの塊となって初めて絶対に燃えない存在となるからであーる!」
「本物のゴミじゃん!!」
「うっさ!?」

第五百四十三話
「ゴミの時間」

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