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2016年11月23日 (水)

「第五百四十五話」

「明後日、頑張ります!」
「明日、頑張れ!」
「いや、明後日、頑張ります!」
「明日、頑張れよ!」
「無理です!明後日、頑張ります!」
「無理ですって何だ!無理って!」
「無理ですは無理ですです!それ以上でもそれ以下でもありません!」
「明後日からは、頑張れるんだろ?」
「はい!明後日からは、頑張れます!」
「じゃあ、明日からでも頑張れるだろ!」
「それは無理!」
「何で無理なんだよ!」
「無理は無理だから、無理だと言っているんです!」
「あれか?何か特別な用事でもあるのか?」
「特にありません!」
「じゃ、何で明日から頑張らないんだよ!」
「明日から頑張る理由が見付からないからです!」
「ちょっと待て!明日から頑張る理由が見付からない?」
「明後日から頑張る理由は見付けます!」
「もっぱら言ってる意味が分からないんだが、部活の顧問の先生が明日から頑張れって言ってるのが、明日から頑張る理由じゃないのか?」
「先生は、あくまでこの部活の顧問です!僕の人生の師ではありません!」
「お前、凄い事を言うな。じゃ、あれか?お前の人生の師が、明後日から頑張れって言うのか?」
「それは、明日になってみないと分かりません!」
「俺は、お前が何を言ってんのかが分かりません!」
「先生、いいですか?人生の師など、滅多に巡り会えません。この世界で、一体どれぐらいの人間が人生の師に巡り会っているでしょう?人生の師に巡り会わずに人生を終わる人間が殆どです。」
「ん?すまん。頑張って理解しようとはしてるんだが、全く何が言いたいのか分からない。」
「つまり僕が明日から頑張らないで明後日から頑張る理由がそこにあります!」
「理由、あんじゃん!もうちょっと、そこ詳しくいいか?」
「明日、僕は僕の人生の師を血眼になって捜します!」
「はあ?」
「人生のどのタイミングで、どんな風に巡り会うか分からない人生の師をあえて迎えに行くんです!」
「それで本当に巡り会えるのか?」
「分かりません!」
「分からないのかよ!」
「だってこれは、運命に抗う行為なんですよ!神がそれを許すかどうかは、神のみぞ知るってヤツです!」
「いや、話が壮大になってるとこ悪いんだがな。俺は、明日から部活に遅刻するなって、そう言ってるだけなんだぞ?明日から部活に遅刻しない為に、お前は運命に抗ってまで人生の師と巡り会わなきゃならないのか?」
「そうです!!」
「凄く断言!?」
「もしかしたら、そんな事をしてしまった僕は、この世から存在を抹消されるかもしれません!でもそれは仕方ありません!なぜなら、僕が人生に抗い!神の怒りに触れてしまったからなんですから!」
「号泣のとこ悪いんだがな。そもそも論なんだが、部活に遅刻しないって、人生の師と巡り会わなきゃ無理なのか?」
「無理です!!」
「無理じゃないだろ!他の部員は、人生の師と巡り会ってないのに遅刻してないだろ!何で、お前だけが人生の師と巡り会わなきゃ無理なんだよ!他の部員が出来てお前だけが出来ないって、おかしいだろ!」
「先生!それは間違いです!」
「間違い?間違ってないだろ!」
「僕以外の他の総勢50人の部員が遅刻しないのは、僕以外の他の部員が既に人生の師と巡り会っているからです!それは、部活の顧問であり監督でもある先生!貴方ですよ!」
「何だと!?」
「それでは、僕は明日、人生の師を血眼になって捜さなければならないので、明日は部活を休みます。失礼します。」
「おい!」
「はい?」
「ちょっと、寂しいな。」
「ええ、ちょっと、寂しいですね。」

第五百四十五話
「なぜか今夜は飲みたい気分」

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