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2017年1月11日 (水)

「第五百五十二話」

「町内会長?こんな武器をたくさんこしらえて、一体どこへ行くつもりですか?」
「副会長、我々は今日、巨悪と戦います!」
「巨悪と戦う!?そんな話、聞いてませんよ!この国の中枢に乗り込む気ですか!?」
「いや、副会長。我々は、あくまでこの町の町内の会長と副会長です。守れる平和は、あくまでこの町だけなのです。」
「だとしたら、会長!この平和な町に、そもそも巨悪なんて存在しませんよ!」
「いえ、副会長。この平和な町にも巨悪は、存在します。残念ですが、存在します。」
「しかし、そんな話、私は聞いた事ありませんよ?」
「僕は昨日、実際にその巨悪に遭遇しました。」
「何ですと!?会長、もしかしてその巨悪と言うのは、化け物の類いですか?この町に噂される伝説上の化け物の事ですか!?」
「いいえ、伝説上の化け物は、あくまで伝説上の化け物です。その存在は、一度も確認されていません。」
「だとしたら、その巨悪とは?巨悪とは、一体何なんですか?」
「飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発する者の事です!」
「えっ?」
「飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発する者の事です!」
「聞こえなかったんじゃなくて、それが巨悪の正体?って、意味の、えっ?です。」
「そうです!巨悪です!」
「巨悪なんですか?」
「だって、家じゃないんだから!何でみんなが楽しく飲食してる場で、ペチャペチャと汚らしい擬音を発さないとならないんですか!気分悪いじゃないですか!害じゃないですか!だから、殺す!」
「町内会長!町内会長待って下さい!町内会長!」
「いいや、もう待てませんよ!この町の平和を乱す飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発する巨悪を殺します!」
「いや、殺すっていくら何でもそれは、やり過ぎですよ!」
「やり過ぎ?やらな過ぎの間違いではありませんか?副会長。」
「やらな過ぎって何ですか!」
「奴等は、飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発しても殺されないと思ってるいんですよ。だから、平気な顔してペチャペチャと汚らしい擬音を発するんですよ。」
「町内会長の言おうとしてる事は、分かりますよ!けど、殺すじゃなくて口頭で注意とかでいいじゃありませんか!」
「副会長?そんな甘い事で、あのゴミムシどもは、やめませんよ?自分が飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発して快感を得られるのであれば、回りがどれだけ迷惑したとしてもそんな事は、どうでもいい、いやむしろ回りが迷惑だと感じれば感じるほどいいと考えてる奴等です。そんな奴等は、殺してやるのが一番です。」
「町内会長!蚊や蝿じゃなくて、相手は人間なんですよ!そんな事したら、殺人になるんですよ!」
「いいえ、殺人にはなりませんよ?副会長。」
「人を殺してるんだから、殺人になりますってば!町内会長!」
「飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発した時点で、奴等は人ではなく、人の皮を被った化け物です!我々は、この町の町内会長と副会長です。あくまでもこの町の平和しか守れません。がしかし!この町から発信して行こうではありませんか!飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発する者の撲滅して、世界平和へと繋げましょう!」
「町内会長!まずは、各飲食店の店長さんなどに口頭での注意から始めましょうよ!」
「副会長!そんな事をしていては、飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発する者が蔓延るだけです!奴等は、客と言う立場を利用して、口頭で注意されても偉そうに金払ってるのは自分達だ感を出して来るのがオチです!有無も言わさずぶっ殺すのが一番です!」
「絶対に一番じゃありません!絶対に一番じゃありませんよ!町内会長!」
「副会長!僕は行きますよ!それでも副会長が僕を止めたいと言うのであれば、僕を殺しなさい!」
「そ、そんな事、出来る訳ないじゃないですか!何言い出すんですか!町内会長!」
「なら、そこをどきなさい!」
「どきません!町内会長を殺人犯にする訳にはいきません!」
「副会長?貴方は、飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発する者を許せるのですか?」
「許せませんよ!許せる訳ないじゃないですか!でも、殺すのはやり過ぎです!」
「副会長?飲食店などで、ペチャペチャと汚らしい擬音を発する者も殺さない、それを殺しに行く僕も殺さない、その選択肢は許されません。貴方は、この町の町内会の副会長なのですよ?さあ、巨悪を殺しなさい!さあ、巨悪を選ぶんです!副会長!」
「ええーっ!!」

第五百五十二話
「巨悪」

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