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2017年1月25日 (水)

「第五百五十四話」

「ニャー!」
朝起きると俺は、猫になっていた。
「ニャー!」
そう、大好きなあの女性が大好きな猫になりたいと思って日々を暮らしていたら、ある朝起きると俺は、猫になっていた。
「ニャー!」
嬉しかった。人間の俺では、絶対にあの女性は振り向いてくれないが、猫の俺はきっと気に入ってくれる。俺は、あの女性と一生一緒に同じ時間を過ごせる。
「ニャー!」
そんなこの先の幸せ過ぎる運命を想像しただけで嬉し過ぎて死にそうだ。
「ニャー!」
猫になってしまったから、あの女性とはもう二度と会話をする事は出来なくなったが、それを失って得るモノは、あまりにもデカ過ぎた。
「ニャー!」
こんな自宅でずっと歓喜に沸いてる場合じゃない!早速、あの女性の家に行って俺を飼って貰おうじゃないか!俺は、家を飛び出し、三軒先のあの女性の家まで屋根と塀を利用して向かった。
「ニャー!」
よし!大好きなあの女性が居る二階の窓が丁度開いてる!あそこからそれとなく忍び込もう。そして、猛アピールして飼って貰おう!俺は、軽快なステップでいとも容易く窓から大好きなあの女性の部屋へ入った。
「ニャッ!?」
そこで目にした光景は、大好きなあの女性が部屋のドアノブを使って、首吊り自殺している姿だった。

第五百五十四話
「現実」

そして俺は今、あの部屋を後にして路頭に迷いながら不意にトラックに跳ね飛ばされ電信柱に頭を強打し、雨上がりの虹を見て、猫になりたいって願った事を後悔しながら、息を引き取り掛けている。
「ニャ、ニャー・・・・・・・・・。」

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