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2017年5月17日 (水)

「第五百七十話」

「今日は、虹を渡るのであーる!」
「たたた隊長!?たたた隊長!?い、今何と?すかさず今何と?」
「今日は、虹を渡るのであーる!」
「たたた隊長!?虹を!?虹を渡るのであーるでありますか!?」
「何か問題でもあーるのであーるか?」
「単純に、どうやって?はてさて、どうやって虹を?虹を渡るんだ?って、思いました。いえ、思いました!」
「なぜ全く同じ文章をあえて一回否定しといてもう一度言ったのであーる?どうやって?どうやって虹を?どうやって虹を渡るのか?虹を渡るのに、どうやってもこうやってもないのであーる!虹は、渡りたい時に渡るものであーる!」
「そそそそんなバカな!?隊長がおっしゃってる虹とは、空に架かる虹ですよね!」
「うむであーる!」
「渡りたい時に渡ると言われても!そもそもの渡り方が分かりません!」
「分かれ!」
「分かりません!」
「分かれ!」
「分かりません!」
「分かれ!」
「分かりません!その分かれの無理強いやめて下さい!そこで分かったと答えても分かってませんから!」
「虹靴は、準備して来たか?」
「あーるは?虹靴!?ににに虹靴!?虹靴って何ですか?」
「虹靴とは、虹を渡る時に履く靴の事だ。」
「あーるは?虹を渡るのを今さっき聞いたので、持って来ていません!持って来ていませんと答えましたが、そもそもが虹靴と言うアイテム名を聞いたのも今さっきが初めてで、初めての事だらけで!」
「虹靴を履いて、虹手袋を装着する!」
「あーるは?ににに虹手袋!?ににに虹手袋とは!?」
「虹を渡るには虹手袋が虹靴以上に必要不可欠なのは、虹の入門書を読めば分かるだろ!」
「もう、あーるやめたんですね。」
「やめたよ!」
「そんな怒らなくても!?ゲンコツで怒らなくても!?ににに虹の入門書!?ににに虹の入門書って何ですか!?虹靴も虹手袋も虹の入門書も初耳です!」
「ははは初耳!?ははは初耳だと!?」
「僕の真似しないで下さい。」
「僕の真似って、驚いた時に冒頭の言葉を連呼するのは、キミが発案者じゃないだろ?」
「発案者じゃないですけど、二人しかいない会話で最初に使ったら、それはもう僕が発案したも同じですよ。」
「キミは、無茶苦茶言うな!お菓子売り場の子供か!玩具売り場の子供か!」
「隊長から虹を渡ると聞かされた大人です!28歳の大人です!」
「さてと、準備運動で体も温まった事だし、よし!渡ろう!」
「よし!渡ろう!じゃないですよ!よし!渡ろう!じゃないですよ!よし!渡ろう!じゃないですよ!」
「なぜ三回も言う?」
「物凄く大事な事だからです!」
「よし!渡ろう!」
「渡れるものなら渡ってみたいですけど!隊長!虹は、渡れません。」
「虹は、渡れない?」
「虹は、渡れません。」
「虹は、渡れない?」
「虹は、渡れません。」
「29年前には、この地球上に存在すらしてないキミが何を偉そうに言ってんだ!」
「無茶苦茶な人生の先輩風吹かせますね!?」
「吹かせられるなら吹かすのが先輩風ってもんだろ!それが人生ってもんだろ!」
「それはとても淋しい人生ですよ。それはとても哀しい人生ですよ。」
「人生は、常に淋しくて哀しいもんであーる!」
「あーる!?ここに来てまた、あーる!?さすがです!隊長!」
「ありがとう!隊長!」
「いや僕は隊長ではありません。」
「学級委員みたいな模範解答だなキミは!メガネでお下げかキミは!」
「古い!学級委員のイメージがただただ古い!」
「どうせ掛けるなら虹眼鏡を掛けろ!」
「ににに虹眼鏡!?ににに虹眼鏡とは!?虹靴、虹手袋、虹の入門書に続く第四のアイテム、虹眼鏡とは!?」
「虹眼鏡を掛けてないと虹が見えないだろ!」
「いや、虹はそんな眼鏡を掛けなくても見えますよね?」
「風景としての虹を見るのには、虹眼鏡を必要としない。がしかし!虹を渡るとなったら話は別だ!虹には、渡れるポイントと渡れないポイントとが存在する!その渡れないポイントが分かるのが虹眼鏡だ!虹から落ちて死にたいのか!!」
「もうキレ方がヤバい人じゃないですか!?」
「ナイフを首筋に突き付けてすまなかった。だが、キミがあまりにも虹をなめていたから、ついつい興奮してしまって、本当にすまない。」
「僕の方こそ、何が何だかよく分からないですけど、とにかくすみませんでした。」
「あとはそうだな?虹防護服は、持って来たか?」
「虹防護服?」
「何だ?得意の驚愕はやめたのか?」
「ええ、何かもう面倒臭いのでやめました。虹防護服って何ですか?」
「虹から発生するレインボチウムから人体を護る服だ。」
「レインボ?」
「レインボチウム!」
「って、何ですか?人体を護るって、どう言う事ですか?」
「よくは知らん!」
「知らん!?」
「その辺は、知らん顔しとけ!」
「知らん顔出来ませんよ!」
「知らん顔で知らんぷりしとけ!」
「いや、防護服まで装着しないと危険だって事ですよね!人体に悪影響だって事ですよね!死ぬって事ですよね!防護服まで装着して渡る価値が虹にあるんですか!」
「ある!!」
「断言した!?物凄く断言した!?こんな正しくした断言を見た事がない!?隊長!そこまでして渡る価値があるなら、その価値を教えて下さい!」
「虹を渡るとな。」
「はい。」
「虹を渡ったと自慢出来る!」
「はい。」
「うむ。」
「はい。」
「いやだから、うむ。」
「え?それだけ?虹を渡ったら、虹を渡ったって自慢出来る。ただただそれだけ?」
「ノートとジュースも貰えるぞ。」
「どう言うシステム!?と言うか隊長、とりあえず傘も差さずに雨上がりの虹を待つのやめません?どっか喫茶店とかに入りません?」
「どっちも無理!」

「何でですか!?」
「お金が無い!」
「変な虹グッズばっかり買ってるからだ!」
「うむ。」
「いやうむじゃなくて!」

第五百七十話
「雨上がりの虹を待つ雨の中にて」

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