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2017年6月21日 (水)

「第五百七十五話」

「ブロロロロロロロ!!」
「ブロロロロロロロ!!」
俺達は今、美術館から名画を盗み、森の中をバイクで走ってる最中だ。
「どうやら追っ手は来てないみたいだな!」
「この森を抜けた所まで、あと少しだ!」
「そこに乗り物が?もうガソリンがもたない!こんなおんぼろバイクじゃ限界だ!」
「ああ!大丈夫!ちゃんと用意してある!さあ森を抜けるぞ!」
「ブロロロロロロロ!!」
「ブロロロロロロロ!!」
俺達が森を駆け抜け辿り着いたのは、大草原だった。
「大草原!?」
「乗り物は、こっちだ!」
「あ、ああ。」
「さあ!逃げるぞ!」
「え?」
「は?」
「え?」
「は?」
「え?」
「は?」
「乗り物って?え?」
「これだよ。」
「気球?」
「気球。」
「気球?」
「気球。」
「赤い気球?」
「青が良かったか?」
「色の問題点指摘してんじゃなくて!乗り物のチョイス自体を指摘したいんだ!え?ウソ、だよな?」
「ウソ?何が?」
「いやだから、気球で逃走って、ウソだよな?」
「この状況でウソなんかついてどうすんだよ!僕達は、名画を盗んだんだぞ!しかも名画中の名画をだ!だから物凄い数の警察が追って来てんだぞ!」
「いやなんか着々と気球のセッティングしてるけど、ウソなんだろ?」
「セッティングしてるのが分かってるなら少しは手伝えよな!」
「いや、いつの時代背景で逃走用の乗り物チョイスしてんだよ!てっきり小型飛行機とかかと思ったよ!」
「小型飛行機の免許なんか取れる訳がないだろ?」
「じゃあ、お前は一体あの期間、何の講習に出掛けてたんだよ!」
「もちろん気球の講習だよ。」
「いやいやいや、おかしい!おかし過ぎる!」
「大爆笑してないで手伝えよな!」
「大爆笑なんかしてないだろ!」
「おかし過ぎて逆に怒ってんだろ?」
「それを大爆笑って観点で捉えられるお前は凄いよ。ちょっと待てよ!ちょっと冷静になって考えてみろよ!気球だぞ?」
「赤い気球な。」
「色とかどうだっていいんだよ!気球だぞ?気球でどうやって逃げ切るんだよ!」
「上へ上へ逃げれば、有り得ないぐらいの数の警察から逃げ切れるだろ?」
「地上の警察はな!地上の有り得ないぐらいの数の警察からは逃げ切れるよ!」
「じゃあ、万々歳じゃないか。それ取って。」
「何で万々歳なんだよ!」
「有り得ないぐらいの数の警察は、指をくわえて僕達を見てるしかない。大爆笑で見返してやろ!」
「いやだから、お前の頭の中でどんな時代背景になってんだって!地上の有り得ないぐらいの数の警察が指をくわえて俺達を見てたって、有り得ないぐらいの数の上空の警察は、大爆笑で地上を見下ろしてる俺達を見て大爆笑だろ!」
「ヘリコプター的な?」
「ヘリコプター的なだよ!ヘリコプター的な存在分かってんじゃん!分かってて何で気球チョイス?」
「ちょっとそれ取って。」
「おいなあ?マジで気球がウソじゃないんだったら、とりあえずバイクで逃げれるとこまで逃げようぜ!その方がまだマシだ!空の上で逃げ場がない状況で蜂の巣にされるならな!」
「蜂の巣?蜂の巣なんかされないさ。よし!準備出来たぞ!」
「こ、これは!?」
「有り得ないぐらいの数の警察は、名画を傷付ける事は出来ない。だから、盗んだ名画全てを気球に貼り付けたんだ!」
「なるほど、ってなるほどじゃない!一旦、気球で上空に行くって事はだぞ!その後、地上に戻らなきゃなんだから、上空でマークされて地上で逮捕だろうが!」
「誰が地上に戻るって言った?」
「はあ?」
「宇宙に逃げれば無敵だ!そして気球初の宇宙到達で僕達の名前は歴史に刻まれる!」
「主旨がもう、おかし過ぎるだろ!」
「それに、宇宙へ持って行けばもう、僕達の絵は盗まれる事はない。」

第五百七十五話
「究極のトランクルーム」

「いや、大気圏でアウトだろ。」
「は?」
「え?」
「は?」
「え?」
「は?」
「え?」
「は?」
「え?」

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