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2017年11月29日 (水)

「第五百九十八話」

「探偵さん?犯人解りましたか?」
「刑事さん?犯人解りませんよ。」
「はい?」
「はい?」
「いやいやいや、探偵さん?探偵さん?探偵さんですよね?」
「ええ、探偵ですよ。地元に帰れば、ちゃんと事務所もありますし、助手もいます。」
「犯人解りましたか?」
「犯人解りませんよ。」
「探偵さーん!ちょっと探偵さーん!探偵さん?本当に探偵さん?」
「本当に探偵ですよ。刑事さん。」
「犯人解るんですよね?」
「犯人解らないですよ。」
「ちょっとー!探偵さーん!何で犯人解らないんですか!探偵さん!」
「刑事さん?」
「はい!」
「いや、そう言う敬礼とかいいですから。」
「はい!はーい!」
「いやだから・・・あのですね?刑事さん?」
「犯人解ったんですね!」
「解ってないです。解らないです。ですから、刑事さん?」
「はい!犯人は、お前だーっ!って、やるんですね!」
「やりませんし、やった事ないです。」
「では!犯人は、クズ野郎のお前だーっ!って、やるんですね!」
「やりません!犯人は、何々だって、やりません!やった事もありませんし!これからもやるつもりもありません!刑事さん?」
「はい!謎は全て解けたっ!って、やるんですね!」
「だから!そう言うのやりません!やった事もやるつもりもありません!刑事さん?」
「はい!なら」
「ちょっと黙っててもらっていいですか!話が一向に前へ進まないので!」
「・・・・・・。」
「あのですね?刑事さん?あの息してもらっていいですか?とても気になるので。」
「プハーッ!死ぬかと思った!それで?犯人は、この旅館の女将でしたっけ?」
「一言もそんな事は言ってません!刑事さん!いいですか?僕には、この旅館で起きた殺人事件の犯人は、解りません!」
「またまたーっ!」
「またまたじゃなくて!」
「本当はもう、密室殺人のトリックが解っちゃってるんでしょ!このこのーっ!」
「解りません!その肘でやるのやめてもらえますか?いいですか?僕は、たまたま一人旅で、たまたまこの旅館に宿泊して、たまたまそこで密室殺人が起きて、たまたま探偵なだけです。」
「たまたまが止まりませんね!」
「止まらないですよ!」
「で、たまたま事件解決して!たまたま次の殺人事件でもご一緒するって具合ですよね!」
「そこまで、たまたまを進めないで下さい!あのもう言っちゃいますけど、刑事さん、ドラマの観過ぎですよ。たまたま殺人事件に居合わせた探偵がその殺人事件を解決したなんて話、聞いた事ないですよ。」
「やはり犯人は、旅館の女将ですかね?それとも仲居頭ですかね?それとも板長ですかね?もしかして庭師ですかね!」
「そのテンションの上がり方やめてもらえません?」
「だって!殺人事件が起きた旅館で、たまたま宿泊客の中にたまたま探偵さんがいたら、テンションも上がりっぱなしでしょ!で?ここだけの話、犯人は、誰なんですか?」
「いや刑事さんに言ったら、ここだけの話に留まらないでしょ。そして、僕には犯人は、解りません!」
「解りません解りませんってね!探偵さん!たまたま宿泊した旅館で起きた密室殺人を解決しないで!何が探偵だーっ!」
「むしろそのままそのお言葉をお返ししたいですよ。少なくとも僕の回りでは、殺人事件を解決した探偵はいません!」
「話を本題に戻しましょう。探偵さん!」
「本題と言うのは?」
「犯人の動機ですよ!」
「だから、何で僕が刑事さんと一緒になって殺人事件を解決しないといけないんですか!むしろ僕だって犯人かもしれない立場なんですよ?」
「探偵さんは、違う!」
「なぜ断言出来るんですか!」
「探偵さんは、探偵さんだからです!探偵さんが犯人だったら、一体誰がこの殺人事件を解決するんですか!」
「だからその考え方を改めて下さいよ!事件を解決するのは、僕ではなく!警察でしょ!刑事さんでしょ!」
「この場合は、探偵さんでしょうがっ!」
「ドラマに影響されまくりじゃないですか!とにかく!僕には、解決出来ません!」
「またまたーっ!」
「出来ません!」
「このこのーっ!」
「出来ないものは、いくら期待されたって出来ないです!」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「犯人は、私だーっ!」
「な!?何ですか!?突然大声で!?」
「いやあ、さすが探偵さんだ!」
「何を言ってるんです?刑事さん?」
「見事、事件解決だっ!」
「はい?」
「ご苦労様でした!」
「いや、何も苦労してませんけど?」
「天晴れですっ!」
「いや、何も天晴れてませんけど?本当に刑事さんが犯人なんですか?」
「はい!」
「何で?ただただ単純に、何で?」
「この旅館に探偵さんが宿泊してると聞いて、だったらと!これは念願の殺人事件を解決してもらえると!そう思いまして!」
「ウソですよね?」
「ウソじゃないです!いやあ、参ったなーっ!探偵さんには、敵わないや!と言う事なんで、自首してきちゃいますね!」
「はあ。」
「あそうだ!探偵さん!」
「はい?」
「次もし殺人事件現場で会った時もお願いしますねっ!」
「ないでしょ、次。」

第五百九十八話
「帰りの夜行列車では連続殺人事件発生」

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