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2017年11月15日 (水)

「第五百九十六話」

「雨?これは!?血!?」
「ぎゃははははははっ!!」
「上っ!?」
「これでお前も終わりだ!」
血の雨の中、剣士と剣士の刃が交じり合った。

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「えっ?終わり?」
「めでたしめでたし。」
「めでたしくないめでたしくないよ!父ちゃん!えっ?終わり?」
「さあ、もう寝なさい。」
「眠れない眠れないよ!父ちゃん!えっ?本当に終わり?」
「終わりだよ。ほら!」
「本当だ!?終わってる!?」
「さあ、分かったらもう寝なさい。」
「眠れないよ!こんなモヤモヤしたラストを読み聞かされたって!違うの読んでよ!」
「ワガママな奴だな。じゃあ、これ読んだら寝ろよ!」
「うん!」

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「雨?これは!?血!?」
「ぎゃははははははっ!!」
「上っ!?」
「これでお前も終わりだ!」
血の雨の中、ガンマンとガンマンの放った銃弾が擦れ違った。

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「父ちゃん!」
「めでたしめでたし。」
「めでたしくないめでたしくないよ!父ちゃん!何なんだよ!同じ作者の本だろ!これ!」
「違うよ!」
「違うの?」
「ほら!」
「本当だ!?でもラストは一緒!?」
「こう言うのをシンクロニシティって言うんだ。」
「何それ?」
「まあ詳しくは、父ちゃんも分かんない。ただ、使ってみたかっただけだ!」
「何だよそれ!つか、さっきの話もだけど、だいたいこんなモヤモヤさせる話ってどうなの?決着どうなったの?血の雨が何なの?」
「だから、作者の意図だろ?これは!後は、読者の想像力次第って訳だよ!想像力をフル回転させろって訳だよ!決着は着いたかもしれない。着かなかったのかもしれない。血の雨は、技なのかもしれない。」
「技?怪我したんじゃなくて?」
「相手は、血に毒が混ざってる特異体質なのかもしれない。」
「想像力フル回転させ過ぎだよ!父ちゃん!」
「読み終えてからの想像は、読者の自由だ!作品が面白くなるか面白くならないかは、その頭の回転の見せどころだぞ!」
「いやいや、それって作者が手を抜き過ぎでしょ!読者に委ねる過ぎだってば!父ちゃん!」
「まあ、そこんとこも含めて、人それぞれって奴だな。さあ、もう寝なさい。」
「どゆこと?いやだから、父ちゃん!こんなんじゃ眠れないんだって!もっと眠れそうな作品を読み聞かせてよ!」
「強情っ張りだな!」
「そうなの?僕、強情っ張りなの?」
「これ読んだら寝ろよ!」
「うん!」

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「雨?これは!?血!?」
「ぎゃははははははっ!!」
「上っ!?」
「これでお前も終わりだ!」
血の雨の中、医師と医師のメスが交じり合った。

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「めでたしめでたし。」
「めでたしくないめでたしくないよ!父ちゃん!何してんの?医師達!何だかんだあって、さっき仲間意識強く困難なオペに立ち向かおうと握手したんじゃないの?何で、オペ室に入った途端にこんな結末?」
「んまあ、お互いに色々と胸の奥に秘めてたもんがあったんじゃないのか?」
「これもう絶対に作者が名前変えて設定変えて書いてるでしょ!」
「父ちゃんは、知らないよ。だとしてもだ。何か悪い事なのか?別に悪い事じゃないだろ?」
「良い事でもない!」
「何で?」
「眠れない!もう、何がどうなってそうなったのか?この先、あの少女の困難なオペは、どうなるのか?気になって気になって眠れない!」
「少女の命を救いたいなら、お前の想像力をフル回転させて、救ってやればいい!医院長でもなんでも仲裁に来させればいいだろ?お前達!ここは神聖なるオペ室だぞ!決闘がしたいなら、屋上へ行けっ!とか言って、後は医院長がオペして少女の命は助かる。めでたしめでたし。」
「めでたしめでたしだけど、父ちゃん!何でそんな手間の掛かる一手間を寝る前に加えなきゃなんないんだよ!僕は、眠りたいの!」
「下克上だな!」
「分かんないけど使い方間違ってるでしょ!それ!」
「これで寝ろよ!」
「うん!」

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「雨?これは!?血!?」
「ぎゃははははははっ!!」
「上っ!?」
「これでお前も終わりだ!」
血の雨の中、カバの飼育係とキリンの飼育係のデッキブラシが交じり合った。

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「めでたしめで、いやこれはちょっとどうだろうな?めでたしくないかもな。」
「これがめでたしくないんだったら、今までのも全部めでたしくないんだよ!父ちゃん!何で?何で毎回毎回、結末が同じ本を読み聞かせてくんの?」
「お前、そんな事言ったって、ウチには、この結末の本しかないぞ?」
「特殊!?そうなの!?」
「そうだよ。」
「だから、ウチの本屋は売れないんだよ!だから、母ちゃんが出て行っちゃうんだよ!」
「おい!」
「あっ!?ごめん、父ちゃん。言い過ぎた。本当に、ごめんなさい。」
「母ちゃんは、父ちゃんに愛想尽かせて出て行ったんじゃない!」
「そうなの?じゃあ、母ちゃんは今何してんの?」
「買い物だ!」
「一年以上も帰って来ない買い物って何なんだよ!何買いに行ってんだよ!」
「そんな事言ったって、こうして母ちゃんは、買い物に行きますってメモを置いてってるだろ!」
「察しないと!そこは想像力フル回転させないとだよ!父ちゃん!」
「そんな必要はない!」
「何で?ここで想像力フル回転させないで、いつ想像力フル回転させんだよ!」
「父ちゃんはな!母ちゃんを信じてるからだ!」
「単なる現実逃避だよ!」
「よし!これで寝るんだぞ!」
「また現実逃避!」

五百九十六話
「読み聞かせて」

「雨?これは!?血!?」
「ぎゃははははははっ!!」
「上っ!?」
「これでお前も終わりだ!」
血の雨の中、老婆と老婆の山菜が交じり合った。

第五百九十六話
「読み聞かせて」

「めでたしめでたし。」
「もう、老婆が伝説の山菜を求めて魔物と戦うって設定からおかしいし、そもそもこう言う結末の本しかないってさっき父ちゃん言っちゃってるから、聞いてる方も案の定だったしだよ。」
「どっちが、伝説の爺さんと結婚したんだろうな?」
「いやもう、その伝説の爺さんってのも変だったけどね!てか、もうほぼ、山菜図鑑みたくなってたけどね!お腹減っちゃったよ!」
「よし!明日の昼は、カレーだ!」
「何で?」
「食いしん坊だな!これで寝ないなら、もう今日は読み聞かせないからな!」
「いやもう、いいよ!」
「さてさて?次はどんな話かな?」
「ラストはもう100%分かっちゃってるけどね!」
「これだ!和尚とネズミ!むかしむかしある寺に、それはそれは偉いお坊さんがいました。」

第五百九十六話
「読み聞かせて」

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