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2017年11月 8日 (水)

「第五百九十五話」

「何でしょうか?とてもやる気が起こりません。」
「どうした?熱でもあるのか?」
「熱?いいえ、体がダルいとかではありません。ただただ、心底やる気が起こらないだけです。」
「そうか。まあ、そんな日もあるだろう。」
「人間、生きてて果たして、こんな日があっていいんでしょうか?心底やる気が起こらない日が本当にあってもいいんでしょうか?」
「逆だろ?」
「逆?ですか?」
「生きてるからこそ、心底やる気が起きない日もある。そんな日があっても不思議じゃない。」
「そうですか?そう言うモノですか?私には、とてもとても不思議でなりません。体は健康体、なのにやる気が起こらない。何かする訳でもなく、ただただ横になっているだけ、とてもとても不思議でなりません。意味があるとは思えません。」
「物事全てに意味がある訳じゃないだろ?もし仮に意味があるんだとしても、心底やる気が起こらない現状の意味を見付けられてないだけかもしれない。明日になれば、やる気が起こるかもしれないだろ?明日のやる気の為の今日はやる気が起こらないかもだろ?そう、腐るな。」
「明日?まあ、だいたい確実に明日はやって来ますよね。でも仮に明日がやって来ない今日だとしたら、次の瞬間もし地球が消滅したら、私の最期はこんなのです。これでいいんでしょうか?こんな最期でいいんでしょうか?」
「いいんでしょうかも何も、そう言う地球規模の最期は、誰にも決められないだろ?地球が消滅すると共に、自分が望む最期を迎えられる人間の方が珍しい。そもそもそんな人間は確率的にゼロに等しい。そんな事は、考えたって仕方ない事だ。」
「ところで?アナタは?」
「俺?俺は、お前だよ。」
「どうりで、何か心に響いて来ないと思いましたよ。」

第五百九十五話
「俯瞰の末路」

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