« 2017年11月 | トップページ | 2018年1月 »

2017年12月

2017年12月 6日 (水)

「第五百九十九話」

「よう!どうした?そんな青ざめた顔して?とりあえず入れよ。」
「お邪魔します。」
「適当に座ってくれ。」
「お邪魔します。」
「で?直接会って話したいって、一体何の話だ?もしかして愛の告白じゃないよな?だとしたら、俺の答えは、ごめんなさいだ。」
「愛の告白じゃない。」
「おい何だよ!今のはジョークだろ!笑うとこだろ!なあ?本当にどうしたんだよ!もしかして、お前?何か難しい病気なのか?確かこの前、人間ドックに行ったって言ってたよな?」
「健康そのものだった。」
「じゃあ!本当にどうしたんだよ!」
「夢を見たんだ。」
「夢?どんな?」
「お前が殺される夢を見たんだ。」
「んまあ、聞かされていい感じはしないけど、夢だろ?おいおいおい、まさか、お前が見た夢で俺が誰かに殺されたから、それをわざわざ直接言いに来たって話じゃないよな?どうしてもってお前が言うから、俺は予定をキャンセルまでしたんだぞ?」
「誰か、じゃない。」
「じゃあ、誰なんだ?」
「僕だよ。僕が殺したんだよ。」
「あそう。お前の夢で、お前が俺を殺したんだな?そんな事をわざわざ予定をキャンセルさせて言いに来たのか。ふざけんな!」
「夢と同じ展開だ。」
「えっ!?」

第五百九十九話
「いつも心に原点を」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月13日 (水)

「第六百話」

「おっほん!」
「どうしたんですか?オーナー?風邪ですか?」
「風邪な訳がないだろ!どこのファームのオーナーが従業員集めて、風邪ひいたって発表するんだよ!」
「従業員って言っても僕一人ですけどね。それに、オーナーならやりかねない。」
「どんな目線で俺を見てんだよ!いいか?いよいよなんだよ!」
「いよいよ?」
「そのいよいよを発表する為に、この場を設けたんだよ!」
「オーナー?」
「はい、従業員君!」
「いよいよ?って、何ですか?」
「よくぞ聞いてくれた!従業員君!」
「聞くしかない流れでしょ!一体何が、いよいよなんですか?」
「俺の夢が叶うんだよ!」
「まさか!牛の品評会でいい結果が出たんですか!」
「いいや、アレは最低の結果だった!」
「胸を張って言う事ですか?」
「そして、牛の品評会の結果なんてもんは、俺の夢に比べたら、比べものにならん!」
「じゃあ、比べないで下さい。それで?本当に何なんです?オーナーの夢ってのは?」
「聞きたいか?」
「聞かせたいの間違いじゃないですか?」
「では!発表する!俺の夢は!自分のファームで!象を飼う事だ!」
「・・・・・・ジョーク、ですよね?」
「お前なぁ?ファームのオーナーがこんなジョーク言うか?」
「動物園の園長なら言わないでしょうが、ファームのオーナーの口から飛び出したら、ジョークでしょ!何なんですか!象って!」
「お前!象を知らないのか?象ってのはな!」
「象そのものの話じゃなくて!ファームで象を飼うって夢が何なんですか!って話ですよ!」
「子供の頃、オヤジのこのファームを見ながら毎日思ってたんだよ。何で、このファームには象がいないんだ?だったら、俺がファームを継いだら象を飼おうってさ。俺がオヤジの間違いを正してやろうってさ。」
「ファームだからでしょ!答えは、ファームだからですよ!オーナーのオヤジさんは何も間違っちゃいない!」
「お前でもファームを見てみろ!牛、豚、鶏、山羊、などなど、鼻の長い動物が一匹もいないだろ!」
「必要ないからいないんだ!ここには、必要ないから鼻の長い動物がいないんだ!」
「お前さぁ?考えてもみろよ?象がいたら楽しいぜ?だってもう、象がファームにいるかもしれないって考えただけでも楽しいもん!」
「ご病気だよ!それは何かのご病気だよ!オーナー!いいですか?オーナーの自己満足の為に、象のエサ代やらの余計な出費がかさむんですよ!今でさえこのファームは、ギリギリなんです!そうですよ!ギリギリなのに何でこのタイミングで、いよいよなんですか!いよいよのタイミングじゃないでしょ!絶対に!」
「いいか?毎日毎日、金の事でピリピリしてたら、いい結果なんて出ないんだよ。俺は、そこに気付いたんだよ。そんなのはダメだ!人間には、余裕が必要なんだ!心の余裕ってヤツがな!」
「それは、成功者の語る

第六百話
「洗濯機の終了の合図と共に終了」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月20日 (水)

「第六百一話」

「はあ!?何で!?」
「お疲れ様です。」
釣ってきた鯛をどう料理しようか考えながらさばいてたら、中からいきなり水着姿の美女が現れた。
「夢?」
「現実ですよっ!」
「いててててて!何で耳を引き千切ろうとする!?この場合は、ある程度の力加減でほっぺたって相場は決まってるだろ!?」
「すいません!鯛の中にいたもので、世の中と感覚が少しズレちゃったみたいです!」
「随分と最新の流行を取り入れた水着だけど?だいたいほっぺたをつねるのに世の中との感覚のズレは生じないだろ!てか、何で鯛の中から!?そこだよ!まずはそこから片付けよう!」
「答えは簡単です!アタシが海を泳いでたら鯛に食べられたんです!」
「全然簡単じゃないよね!それ、全然簡単じゃないよね!だってほら!俺の釣った鯛の大きさは、明らかに美女より小さいよね!アンタ、体重は!」
「えっ!?美女に体重聞くなんて紳士じゃないですね!」
「いててててて!その耳を引き千切ろうとすんのやめろ!違う!いいか!俺は、鯛を釣り上げた時!明らかに鯛の重さをこの手に感じた!この鯛の重さしか感じなかったんだよ!つまりだ!」
「何が言いたいんですか!」
「つまりだ!って言っただろ!それは、これから何かを言おうとする合図だろ!変なとこで割り込んで来るなよ!」
「すいません!鯛の中にいたもので、世の中と感覚が少しズレちゃったみたいです!」
「いやもう!これは、世の中と遮断されてたのが原因じゃなくて!持って生まれた性格が原因なんじゃないのか!」
「で?何が言いたいんですか!」
「何で俺が責められる風になってる!?いいか?つまりだ!俺が鯛を釣り上げた時点では、美女は鯛の中にいなかったって事だ!アンタ、一体どっから現れたんだ!そして何が目的だ!」
「その考えには、一つだけ間違いが御座います。」
「何で映画やドラマの事件解決シーンみたいな動きをする!何が間違ってるって言うんだ!」
「もし、アタシが0キログラムだとしたら、その推理は成立しませんっ!」
「いててててて!よくもそんな事をドヤ顔で人の耳を引き千切ろうとしながら言えたもんだな!なら、体重計に乗ってもらおうじゃないか!」
「美女の辞書に、体重計の文字はないっ!」
「もろもろ分かったから、とりあえず何事も無かった感じで、俺の前から消えてくれるか?」
「えっ?プロポーズとかしなくていいんですか?美女を前にしてるのに?」
「初対面の美女を目の前にしてプロポーズなんてする訳がないだろ!」
「意気地無し!」
「いててててて!本当にやめろ!本当に引き千切れるだろ!聞いた事のない変な音が聞こえたぞ!あのな?」
「何が言いたいんですか!」
「言い掛けてる時にちょくちょく口を挟むな!」
「すいません!鯛の中にいたもので、世の中と感覚が少しズレちゃったみたいです!」
「そのいい訳もやめろ!あのな?いいか?だいたい初対面の美女にプロポーズして断られる確率は、100パーセントだ!それは、初対面の美女じゃなくても同じ事が言える!そして!そもそも鯛の中から出て来た怪しさだけで構成された美女になんてプロポーズする訳がないだろ!」
「ガビーン!」
「そんなショックの受け方するヤツ、初めて見たよ。アンタ、どんな美女人生を送って来たんだよ。毎日毎日、初対面の男からプロポーズされてたのかよ。さぞ疲れる人生だったろうな。」
「・・・・・・。」
「いててててて!無言で耳を引き千切ろうとすんな!一番こえーよ!どんな八つ当たりだよ!いいから、さっさと何事も無かった感じで、俺の前から消えてくれよ!こう言う摩訶不思議な事もあるんだなぁ、って感じで受け止めるからさ。」
「そうですね。こう言う摩訶不思議な出来事に、アタシ達は巻き込まれてしまったのかもしれませんね。」
「ああ、きっとそうだ。」
「でも、摩訶不思議な出来事に巻き込まれたアタシを摩訶不思議な出来事に巻き込まれたアナタが助け出してくれたのも摩訶不思議な現実です。」
「そうだな。」
「何かお礼をさせてもらわないとアタシの気が済みませんっ!」
「いや、別に礼なんていいよ。さっさと何事も無かった感じで、俺の前から消えて、この時間は綺麗さっぱり消し去るからさ。一秒でも早くいつもの現実に戻してくれるのが何よりものお礼だよ。」
「分かりました。でも、お礼はちゃんとさせて下さい。」
「だからいいっての!」
「ありがとうございました!」
「いててててて!何で、感謝で耳を引き千切ろうとすんだよ!いててててて!やめろ!いてててて!」
「あっ!」
「あっ!」

第六百一話
鯛の呪いなのかはさておき、引き千切られた右耳が床の上でビチビチ飛び跳ねてるよ」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月27日 (水)

「第六百二話」

さあ

 

行こう

 

肩の力を抜いて

 

あの

 

扉を

 

開けて

 

一歩

 

外の世界へ踏みだそう

 

さあ

 

行こう

 

第六百二話

「漆黒の世界から一歩踏み出した瞬間」

 

 

 

 

 

 

 

それでもまだ

 

この外の世界が

 

こうして

 

漆黒だとしても

 

僕の

 

一歩には

 

意味がある

 

ふと

 

見上げると

 

そこには

 

青空には飛行機が飛んでいる

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年11月 | トップページ | 2018年1月 »