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2018年7月

2018年7月 4日 (水)

「第六百二十九話」

「明日!世界が平和になります!」
「はあ?」
「はあ?だよな!はあ?なんだよ!」
「ちょっと、頭大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ!大丈夫だからこその、はあ?だよ!」
「いやちょっと本当に心配だわ。」
「なら、俺と結婚してくれるか?」
「どんなタイミングでプロポーズよ!って、何でアタシがアンタと結婚しなきゃならないのよ!」
「明日!世界が平和になります!はあ?の仲だろ!」
「いやまったく!果てしなく!どこまでも!意味が不明だから!」
「分からないか?」

「意味が不明って言ってる人間に問う?」
「人は、明日!世界が平和になります!って言われても、はあ?なんだよ!」
「続けて、そう言ういちいちな決めポーズいらないから!とにかくとことんさっさと続けて!」
「明日!世界が滅亡します!って、言われたらどうなる?ん?んん?」
「世界中が大パニックになるんじゃない?」
「それだよ!それそれ!」
「何よ!なになに!いちいちな決めポーズいらないって言ってんじゃん!忙しいの!こう見えても!」
「世界が平和になります!はあ?世界が滅亡します!大パニック!この差は歴然!もはや言わなくても分かるレベル!」
「言ってもらえると嬉しいんだけど?ついでに要件も言ってもらえると嬉しいんだけど?」
「想像出来ないんだよ!人は、世界平和ってヤツがさ。」
「で?」
「・・・で?」
「それとアタシに依頼と何か関係があるの?」
「全くない!ただ!自分が昨夜発見した大いなる哲学を聞かせたかっただけだ!」
「あ-!とんでもなく無駄な時間だった。で?今回は、誰?」
「コホン!じゃあ、ここからはビジネスの話って事で、今回はコイツだ!」
「了解!」

第六百二十九話
「殺し屋の女」

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2018年7月11日 (水)

「第六百三十話」

「チェックメイト。私の勝ちのようだな。」
「いや、それはどうかな?」
「どう見てもこのゲームは私の勝ちだ。ここからの逆転劇は不可能だ。」
「フハハハハハハハハ!」
「そんな悪魔的な笑い方をしたとこで、どうしようもない。神も悪魔もこの状況からの逆転は不可能だ。」
「それはどうかな?」
「何を根拠に不敵な笑みを浮かべられるんだ?」
「人は、勝利を確信した時から勝利の女神を見失う。そんな感じの言葉を知らないか?」
「そんな感じの言葉を知っているがな。いいか?それには、逆転出来るルートが必要だ。だが、この盤上の完璧なまでの勝利を見てみろ。ここにそんな逆転のルートが一体どう存在する?」
「フハハハハハハハハ!」
「だから、その笑い方はやめろ。」
「分からないか?この盤上には、勝利を確信した者には見えない逆転のルートが存在する!」
「いいか?教えてやろう。キミが今している言動の事を世の中では何と言うのかを。」
「何て言うんだ?」
「負け惜しみ、だ。もしくは、悪足掻き、だ。」
「フハハハハハハハハ!」
「悪魔的な笑い方はやめろ!」
「ダハハハハハハハハ!」
「鍛冶屋的な笑い方はもっとやめろ!」
「後で吠え面かくなよ。」
「かくか!全ての駒で王を取り囲んでる状況からどうやって逆転出来ると言うんだ!」
「ジッと待つ!」
「ジッと待つ?ジッと待つとは?ジッと待つとは何だね?」
「例えばどうだ?貴方が心臓麻痺で死んだとしたら、このゲームは僕の勝ちだ。」
「何?」
「例えばどうだ?貴方がスナイパーにぶっ殺されたら、このゲームは僕の勝ちだ。」
「いや、ちょっと待て。」
「例えばどうだ?貴方に隕石が落ちて死んだとしたら、このゲームは僕の勝ちだ。」
「お、おい。」
「例えばどうだ?窓から入って来た蜂に貴方が刺されてアナフィラキシーショックで死んだとしたら、このゲームは僕の勝ちだ。」
「ちょっと待て!!」
「ん?どうした?トイレか?なら例えばこれはどうだ?トイレの水が大逆流した勢いで貴方が天井に激突して頭がペシャンコになって死んだとしたら、このゲームは僕の勝ちだ。」
「トイレではない!」
「なら、どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたもない!さっきから一体何を言ってんだ?何の話が展開されているんだ?」
「え?何の話って、僕がここから逆転する話だろ。その話以外に今する話があるか?」
「逆転する話?」
「ああ。」
「今のが逆転する話なのか?私が死ぬ話ではなくてか?」
「結果的に貴方が死ぬ事が、このゲームに勝つ事に繋がる。殺して申し訳ない。」
「謝られても複雑な気分だ。」
「なので、僕はこれから果てしなくジッと待たせてもらう。」
「だから、ちょっと待て!果てしなくジッと待つな!」
「今さら時間制限を設ける訳じゃないだろうな?これは大会じゃないんだぞ?素晴らしい庭園でお茶を飲み会話を楽しみながら行う趣味の領域だぞ?だから僕は、ジッと待たせてもらう。」
「ジッと待つって一体どれぐらい待つって言うんだ?」
「そんなの決まってるだろ?貴方が死ぬまでだ!!」
「そんな勢いよく立ち上がって鼻に触れるか触れないかの距離で指差しながら大興奮して言う事ではないだろ!」
「すまない。」
「まあ、座って紅茶でも飲んで落ち着きなさい。」
「・・・・・・よし!落ち着いた!」
「本当か?」
「さあ、ゲームを再開しよう。」
「ゲームを再開と言われても別に中断していた訳ではないだろ。そもそもが既に私の勝ちが決まっているのだから、私の死を待ったとこで、このゲームの結果が変わる事はないと思うが?」
「それはどうかな?」
「こんな無駄な時間を過ごすのなら、もう一度ゲームをしようではないか。」
「それは出来ない。」
「なぜだね?何もしないで私が死ぬのをジッと待つなど、無駄で仕方がないだろう。」
「新たにゲームを開始すると言う事はつまり!今回のゲームで僕は敗北したと認める事になる!」
「いいではないか。」
「僕だって勝機ゼロの完全逆転不可能な状況下なら、その提案を飲める!だが、目の前でまだ逆転可能なゲームを放棄して新たにゲームを開始する事は出来ない!」
「だから!一体どんな逆転が可能だと言うのだ!私が死んだとしても変わらないのだぞ?」
「僕が死んだらどうだ?」
「何?」
「僕が死んだら、敗者死亡で勝負は無効になる!つまりそれは、ドロー!」
「そんな馬鹿な事があってたまるか!私が死のうがキミが死のうが、既に勝敗は明らかだろ!」
「それは、負け惜しみですか?」
「勝利宣言だ!」
「さあ、ゲームを再開しよう。」
「だから!」
「あれ?」
「どうした?」
「何かよく分からないけど、気分が悪くなってきた。あれ?何かよく分からないけど、心臓が止まりそう。」
「そうか。ならキミの死に免じて、このゲームはドローにしてやろう。」
「嬉しくないぃぃぃぃぃぃぃ!!」

第六百三十話
「人生チェックメイト」

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2018年7月18日 (水)

「第六百三十一話」

「あれ?悲しくもないのに、涙が出て来た。」
「病気?」
「病気!?」
「だって、悲しくもないのに、涙が出て来たんでしょ?あ、もしかして嬉し涙?そっち系?」
「別に、嬉しくもない。」
「病気?」
「病気!?」
「だって、悲しくも嬉しくもないのに涙が出て来たんでしょ?これはもう、病気よ!病気!死ぬヤツよ!死ぬヤツ!」
「病気で、しかも死ぬヤツなの!?そうなの!?」
「ああ、悲しいわ。こっちが涙出て来ちゃうヤツだわ。」
「拝まないでよ!病気じゃないわよ!病気だとしても死ぬヤツじゃないわよ!だから本格的にブツブツ言いながら拝まないで!」
「じゃあ何?目にゴミが入った感じのヤツ?」
「別に何か入ったって違和感はないわ。ただただ、訳も分からずに涙が出て来たって感じよ。」
「なるほどね。」
「だから拝まないでって言ってるでしょ!あのね?例え死ぬヤツだったとしてよ?この涙が出るのがそう言う病気だったとしてよ?そうだったとしてよ?死んでもないのにその人を拝むのおかしいからね!人間としてどうかしてるからね!」
「何言ってるのよ!!」
「何でこのタイミングで物凄い激怒なの!?」
「死んでから拝んでたら、アタシがアンタの為に拝んでんのが分からないじゃない!」
「分からなくていいのよ!そう言うのは!そう言うのは、拝んでる側のエゴだから!」
「なら、今はそのエゴに酔わせて!」
「典型的な自分本位出して来ないでよ!」
「でも、さっきから流れてる涙、止まんないじゃない!」
「ちょっと本格的に病院行こうかしら?」
「行ったとこで、お金をドブに捨てるようなもんよ!だって既に手遅れなんですもん!」
「だから拝むのやめて!涙腺がぶっ壊れちゃっただけかもしれないじゃない!」
「涙腺崩壊病?」
「そんな病気があるのか知らないけど、あるんだとしたらそれよ!」
「涙癌なんじゃない?」
「涙癌?何でもかんでも癌ってつければいいってもんじゃないわよ?だとしたら全て流れ出てるんだからいいじゃない!トリッキーに解決じゃない!」
「何トリッキーな事言ってんのよ!」
「トリッキーな事言ってんのは、さっきっからアナタよ!」
「あらヤダ!」
「アナタの方こそ病気なんじゃないの?」
「何?アタシどんな病気なの?」
「何でちょっと嬉しそうなのよ!そうね?トリッキー病なんじゃない?」
「何その奇病!ヤダー!」
「だから何でそんな嬉しそうに言うのよ!」
「何億人に一人のヤツじゃん!」
「あるの!?トリッキー病って!?」
「トリッキー癌なの?アタシ!」
「いやもう、そうなんじゃない?そんなトリッキーな事言えてるから、そうなんじゃない?」
「透明人間にずっと目潰しされてんじゃないの?」
「急に何の話?」
「アナタの涙が止まらない話でしょ!」
「だとしたら、アナタとアタシのこの狭い空間に透明人間がいるって事になるわよ?どんだけペラペラなの?」
「じゃあ、やっぱり自分では気付いてないだけで、物凄く悲しいのよ!」
「そんな事ある?」
「あまりの物凄い悲しみで、何に物凄く悲しんでるのか記憶がぶっ飛んでんのよ!」
「そんな事ないと思うけど?」
「例えばそうね?」
「そんな事ないと思うけどって言ってるんだけど?」
「飼ってるアリが死んだとか?」
「飼ってないわよ、アリ!」
「お気に入りのハンガーが壊れちゃったとか?」
「それが記憶ぶっ飛ぶぐらいの悲しい出来事だったら、とっくにアタシは干からびてるわよ!」
「宇宙人に連れ去られて涙腺いじくり回されたとか?」
「それはもう、話が記憶ぶっ飛ぶ方だけに焦点当てちゃってんじゃない!」
「テロ!?」
「だったらアタシだけ涙が流れ続けてるのは変でしょ!」
「ピンポイントなんじゃない?」
「アタシは一体何者なの?」
「しがないOLでしょ?」
「しがないOLが何でピンポイントでテロの標的にされてんのよ!」
「それはアナタのお父さんが開発してる人類破壊兵器ロボが目当てなんでしょ!」
「もう誰がテロリズムなんだか分かんないじゃん!アタシのお父さんは、しがないサラリーマンだし!」
「じゃあ、アレじゃない?」
「何?」
「いや、アレじゃないか。」
「だから、何?」
「そうよね。アレだとしたら、アレになってないとアレだものね。違うわね。」
「何が?」
「ああ!アタシの勘違いだった!今のアレは忘れて忘れて!」
「アレが気になって気になって、とても忘れられそうもないわ!」
「ウンコ食べたからじゃない?」
「ウンコ食べると涙が止まらなくなるの?」
「そのウンコにたまたま涙が止まらなくなる成分が入ってたとか!」
「ならウンコじゃなくてもいいじゃない!そんなたまたまがあるなら!」
「でもほら、ウンコ拾い食いしてそうな顔してるじゃない!」
「どんな顔よ!ねぇ?今物凄い失礼な事を親友に言ってるの気付いてる?」
「でもアレよね?」
「聞いてる?物凄く失礼な事を親友に言った事への謝罪とかなしで話を先に進める?しかもまたアレ出て来たし!」
「確実に脳みそがおかしくなってるわよね!」
「何で次から次へと親友に失礼な事を言えちゃうの?脳みそおかしくなってんのは、アナタじゃない?」
「だって脳みその回路が異常をきたしてるから誤作動してるんでしょ?」
「人をアンドロイドみたいに言わないでよ!」
「なら!アナタが地球上の悲しみを一手に引き受けたって事ね!」
「何がどうなったら、そんな事になっちゃうのよ!」
「じゃあ、はい!」
「何?この錠剤?」
「ナミダトマールよ!体内の水分を全て吸収してくれるわ!」
「湿気取るヤツじゃん!」
「ならやっぱり死ぬヤツなんじゃん?」
「何か不思議とだんだん死ぬヤツかもって思って来たわよ。とりあえず病院行くわ。」
「行ってらっしゃい!」
「拝むな!」

第六百三十一話
「死なないヤツ」

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2018年7月25日 (水)

「第六百三十二話」

 新しい町に引っ越して来て早々、体調を崩してしまった僕。家の近くの町医者を探し、そして今僕は順番を待っていた。
「次の人間どーぞ!」
「ガチャ!」
「いや、先生!次の人間どーぞって!って、ゾンビ!?ゾンビが白衣着て医者みたいに座ってる!?」
「病院内では、お静かに。」
「白衣着たゾンビに注意されてる!?」
「それで?今日はどうなさいました?」
「体調を聞かれている!?白衣着たゾンビに体調を聞かれている!?」
「大丈夫ですか?」
「心配されている!?白衣着たゾンビに心配されている!?」
「あの?病院内では、お静かにと言いましたけど?」
「息が臭い!?何とも形容しがたい臭いだ!?そして、今気付いたけど診察室の中は消臭剤だらけ!?」
「あの?少し落ち着かれたらどうです?」
「なら、ちょっと質問してもいいですか?」
「構いませんよ。」
「ここは一体何なんですか?アミューズメント施設ですか?」
「町医者です。」
「はい、僕もそうだと思って来たんです。引っ越して来たマンションの近くの病院にそう思ってやって来たんです。そしたら、診察室にゾンビ!?これ、どゆことなんですか?貴方は一体何なんですか?」
「医者ですよ。ゾンビの医者です。」
「ゾンビの医者!?白衣着たゾンビじゃなくて!ゾンビの医者!?」
「そうです。それで、今日はどうなさいました?」
「いやまだそこまで行けない!本題に入れない!とてもじゃないけど本題に辿り着けない!」
「まだ何か聞きたい事がお有りなんですか?」
「お有りもお有り!お有り過ぎてお有り過ぎますよ!」
「そうですね?うん。今日の午前中の診察は、どうやら貴方で最後のようなので、何か聞きたい事があれば、どうぞ?」
「あのう?大丈夫なんですか?」
「何がですか?」
「いろいろとですよ。」
「大丈夫ですよ。」
「大丈夫じゃないでしょ!」
「何をそんなに心配されているんですか?」
「お医者さんて、患者さんの事をいろいろするじゃないですか?」
「しますね。」
「熱を計ったり聴診器当てたり、直接触れたりするじゃないですか?」
「ええ、医者ですからね。」
「大丈夫なんですか!?」
「何がですか?」
「そのう?失礼な言い方かもしれないですけど?」
「馴れてるので構いませんよ。」
「感染したりしないんですか?ほら、だって映画とかでよく、ゾンビに噛まれたりすると噛まれた人間がゾンビになっちゃったりするじゃないですか!」
「あれは、映画ですよ?」
「映画以上の事が僕の目の前で巻き起こってるんですけど!?」
「ゾンビは、病気ではありません。ゾンビは、死体が腐って甦った者です。」
「病気じゃないのか。良かった良かった。なら、感染はしないんですね。」
「しません。私の病院でゾンビになったと言う患者さんは一人もいません。」
「ああ、そうですか。それを聞いて安心しました。って、死体が腐って甦ったって何なんですか!?それはそれで、それはそれでしょ!」
「いちいちですね。」
「いちいちですよ!こんなのいちいちでしょ!数日前にこの町に引っ越して来たばっかなんですから!突然こんな体験したら、そりゃあ!いちいちでしょ!」
「しかし、それ以上でもそれ以下でもないので、ゾンビについては説明のしようがないですよ。」
「元々、この町のお医者だったんですか?それで、ゾンビになってからも患者さんを助ける為に続けてるって事ですか?」
「いえ、生きてる時はグラディエーターでした。」
「剣闘士だったんですか!?と言うか物凄く昔の人なんじゃないですか!?」
「ええ、それで気付くとゾンビで甦っていて、時間も有り余っていたので、勉強してこの道に進みました。」
「ゾンビから医者になれるの!?」
「まあ、元々人体の構造については人より知識がありましたからね。」
「まあ、どこをどう切れば的な事ですもんね。でも、授業中に何か臭うなと思って隣見たらゾンビがいたらビックリですね!」
「そうでもないですよ。」
「そうなんだ!?」
「意外とみんな、私の体に興味津々でした。」
「逆に!?」
「医者なんて知識と技術があれば、猫でもなれますよ。」
「そうなんですか!?いやいやいや、猫は無理でしょ!猫は!」
「人間の言葉、喋れませんもんね。」
「そう言う問題じゃなくて!」
「手術中に毛玉とか入ったら大変ですもんね。」
「先生は先生で目玉とか入っちゃいそうですけどね。」
「昔、術後の患者さんのレントゲン写真を見た時に、目玉が写ってた時は驚きましたよ。」
「入っちゃってた!?」
「冗談ですよ。さて!緊張もほぐれて来ましたか?」
「ああ、緊張をほぐしてくれてたんですね。」
「それで?今日はどうなさいました?」
「それが、何だか無性に血が飲みたいんですよ。それに、急にコウモリになっちゃうし、十字架が苦手になっちゃったんですよね。」
「それあれじゃん!」

第六百三十二話
「ゾンビの医者と吸血鬼の患者」

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