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2018年9月12日 (水)

「第六百三十九話」

「お父さん!娘さんを僕に下さい!」
「だ、誰だキミは!?」
「僕は!お父さんから娘さんを貰いに来た者です!」
「な、何だと!?つつつつつまりは、あれか!娘の彼氏って事か!?だが、普通はあれじゃないのか?こう言うの初めてだから、テレビや小説からの情報になってしまうが、この場に娘も同席するもんなんじゃないのか?」
「そうなんですか!?」
「確実に、絶対にそうかどうかは分からんよ。でも、娘の彼氏が一人でやって来て、娘さんを僕に下さい!ってのは、初めて見たよ!」
「僕もそれは考えたんですよ。」
「なら、娘と話し合ってもう一度来るのが筋なんじゃないか?こっちも急に縁側で足の爪を切ってる最中に庭から現れてビックリして深爪しないで済むしな。」
「なるほど!でも、お父さん!それには少し無理難題の高い壁がそびえ立ちます!」
「少しなんじゃないのか?で?その無理難題の高い壁ってのは、何だ?」
「それは僕が娘さんの彼氏じゃないからです!」
「ん?すまん、もう一度頼む。」
「それは僕が娘さんの彼氏じゃないからです!」
「すまん、もう一度。」
「それは僕が娘さんの彼氏じゃないからです!」
「・・・・・・ちょっとこれまでの一連の流れを整理してみようか。」
「してみましょう!お父さん!」
「ちょっと横に座ってくれるか?」
「座りましょう!お父さん!」
「え?娘さんの彼氏じゃない。」
「はい!お父さん!」
「庭から現れて、娘さんを僕に下さい!って言った。言ったよな?」
「言いました!お父さん!」
「強盗じゃん!」
「強盗って!?お父さん!今まさに塀の向こう側を警察官が通ったら来ちゃうじゃないですか!最悪、僕は身柄を拘束されちゃうじゃないですか!」
「それがハッピーエンドだろ。」
「どこがハッピーエンドなんですか!僕とお父さんのハッピーエンドは、結婚式じゃないですか!それを、それだけは絶対に忘れないで下さい!」
「娘の彼氏じゃないんだろ?」
「娘さんの彼氏じゃありません!お父さん!」
「強盗じゃん!」
「それやめましょう!お父さん!本当に警察官が来ちゃますから!何でこんな善良な市民の僕が強盗なんですか!」
「だってそうだろ?そうなるだろ?」
「なりませんよ!お父さん!」
「ちょっと話を進める前に、そのお父さん!って言うのやめようか。」
「何でですか!お父さん!」
「キミが娘の彼氏ならまだしも!そうじゃないからだ!強盗だからだ!」
「お父さん!本当に強盗はやめて下さい!」
「なら!お父さんをやめろ!でないと私は、強盗と言い続けるぞ!」
「分かりました。お父さん。」
「強盗!」
「分かりました!やめます!だから、強盗もやめて下さい。」
「でもな?彼氏でもないのに娘を貰いに来るって、強盗だろ?」
「別に僕は、娘さんを盗みに来た訳じゃありません!貰いに来たんです!」
「骨董品じゃないんだからさ!じゃあ、娘を上げようなんてなる訳がないだろ?」
「いくらですか?」
「キミは!キミってヤツは!世の中の娘さんを僕に下さい!を何だと思ってるんだ!」
「でも今、お金を要求されましたよね?」
「してねーよ!違うだろ!全然話が違うだろ!彼氏じゃないんだよな?」
「はい。」
「今、娘に彼氏がいるかいないか私は知らない!だがな?キミにここで娘を上げちゃって、今夜娘が明日彼氏を連れて来るなんて言われたらどうすればいいんだ?いやいや、今日の昼間にお前を上げちゃったよって言えばいいのか?」
「はい。」
「はい、じゃねーよ!深く頷いて、はい、じゃねーよ!あのさ?全くだよ!全く意味が分からないんだよ!何なんだよこの状況は!何で縁側でのんびりと足の爪を切ってたら、いつの間にやらこんな不条理な展開に巻き込まれてんだよ!」
「落ち着いて下さい。頭の血管がぶっ壊れてぶっ倒れちゃいますよ?」
「もしかしたら、その方が幸せなのかもしれない。」
「違います!僕と貴方の幸せは、結婚式です!どうかそれだけはお忘れなきように。」
「キミはあれか?凄く真面目なヤツなのか?もしかして、娘と付き合う前に父親の許しを貰いに来た大真面目なヤツなのか?」
「違います!」
「違った!?なら、ただの大迷惑野郎か!」
「違います!僕は、物凄く結婚願望の強い男です!」

第六百三十九話
「操り人形で、娘さんを下さい大作戦」

「で?」
「で!めでたくアタシ達は、ゴールイン!」
「本当に?本当にこんなので結婚の許しが貰える?」
「大丈夫だって!アタシのパパって、物凄い変わり者だからさ。これぐらいやんないとダメなんだって!」
「今の話の中じゃ、随分とまともな人だったけど?」
「一見そう見える人がそうじゃないんだって!殺人犯とかそうでしょ?」
「いや、あれはよく知らない隣人のインタビューとかだろ?」
「まあ、まあまあ、いいじゃんいいじゃん!細かい事は気にしない気にしない!アタシ達の目的は結婚式なんだからさ!」
「一つ今ので気になったんだけどさ。」
「なあに?」
「何で僕、彼氏じゃない設定?」
「え?」
「え?」

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