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2018年12月

2018年12月 5日 (水)

「第六百五十一話」

「・・・・・・。」
(クスクス笑い)
「・・・・・・。」
(クスクス笑い)
「・・・・・・。」
(笑い)
「おしっこ我慢してんの?」
(大笑い)
「してねぇよ!壁の色を変えようと思ってさ。」
「何で?いいじゃない。この壁の色。ボクは好きだな。」
「だからだよ!」
「あのさ?前々から聞こうと思ってたんだけどさ?」
「何だよ。」
「ボクの事、嫌い?」
「・・・・・・。」
(笑い)
「・・・・・・。」
(笑い)
「・・・・・・。」
(笑い)
「やっぱり、おしっこ我慢してんの?」
(大笑い)
「してねぇよ!」
「なら、金魚を出そうとしてんの?」
(大笑い)
「壁の色をどうしようかこうしていろいろな角度から部屋を見てるだけだ!」
(大笑い)
「で?」
「何?」
「だから、ボクの事、嫌い?」
「何でそんな事を聞くんだよ。」
「だって、この家にシェアして来てから、ことごとく色々なところを変えてるじゃん?部屋のドアとか、部屋のカーペットとか、挨拶とか。」
「それは、個人の趣味嗜好だろ?お前は、小説家、オレは、ミュージシャン。お前自身を好きとか嫌いとかの話じゃない。自分のテイストでやりたいんだよ。そうしないと心に響く音楽が作れないんだよ。同じ創作活動してるんだから、そこら辺は理解出来るだろ?まあ、おはようおやすみの時に抱き合うって言うのは、どうかと思うけどな?」
「まあ、確かに、それぞれの趣味嗜好や生い立ちがあるもんな。」
「金のないオレに、小学校から親友のお前が自分の家を提供してくれたのは、感謝してる。」
(感嘆)
「お互いまだ、プロにはなってないけどね。」
「それでも諦めかけたオレを奮い立たせてくれたのは、お前だ。ありがとな。」
(感嘆)
「こちらこそだよ。おお!友よ!」
(笑い)
「だから、抱き付くなっての!」
(笑い)
「ああ、ごめんごめん。で?どんな壁の色にしようっての?」
「そうだな?このオーソドックスで平凡な壁をお花畑の壁にする!」
(笑い)
「前々から聞こうと思ってたんだけどさ?」
「またかよ。何だよ。」
「ロックミュージシャンなんだよな?」
(笑い)
「それもガチガチのな!」
「そのたまに出て来る乙女チックな趣味嗜好が創作活動の邪魔してんじゃないの?」
(笑い)
「いいんだよ!それで、お前に迷惑掛けてるか?掛けてないだろ?お前だって、ロックミュージシャンみたいな格好してんじゃん!それが創作活動の邪魔してんじゃないのか?」
(笑い)
「いいだろ?お前に迷惑掛けてないだろ?ボクの趣味嗜好!」
(笑い)
「そうだよ!掛けてない!だから、お互いに自分のスタイルを貫き通して、オレはロックミュージシャンを志す!お前は、恋愛小説家を志す!」
「そうだな!」
(笑い)
「おっとっとっ!抱き付きはなしだ。」
(笑い)
「どうしても?」
「どうしてもだ!」
(笑い)
「ダメ?」
「ダメ!」
(笑い)
「一生のお願いでも?」
「その一生のお願いは、先週のお前の誕生日に叶えただろ?」
(笑い)
「じゃあ、お前流のやり方にしよう!」
「お姫様抱っこしてくれんのか!」
(大笑い)
「いや、やっぱりやめよう。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「「握手だな。」」
(笑いと拍手)

第六百五十一話
「パイロット版」

「あ、そうだ!言い忘れてたんだけど、来週から妹もここで暮らす事になったんだけど、いいよな?」
「そりゃあ、お前の家なんだから好きにすればいい。って、妹!?あの引きこもりの写真家の!?」
(笑い)
「よーし!これからもっと楽しくなるぞー!」
(笑い)
「先が思いやられるな。」
(笑い)

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2018年12月12日 (水)

「第六百五十二話」

「おい!」
「え?」
「振り向くな!」
「え?」
「振り向くな!」
「なぜ?」
「振り向こうとするな!」
「え?」
「すんなっての!」
「え?」
「逆に、え?だよ!何なんだよ!分かるだろ?背中に当てられてるもんが?」
「キュウリ?」
「銃だ!」
「ナス?」
「銃だ!」
「マルゲリータ?」
「お前ふざけてんだろ!」
「ふざけてません!」
「ふざけんな!ふざけてなかったら、背中に銃を当てられてて、マルゲリータなんて言わないだろ!」
「こ、こう言うの初めてで、ききき緊張して、パパパパニック状態なだけです!」
「棒読み!?絶対ふざけてんだろ!」
「違います!あまりのパニック状態に棒読みになっちゃっただけだもん!」
「言い方!?お前な?分かってんだろうな?俺がこの銃の引き金を引けばどうなるか?」
「ハトが出る?」
「マジシャンか!俺は!」
「引いたカードを言い当てる?」
「だからマジシャンか!俺は!」
「マジシアーン?」
「トレビアーンみたいな風に言うな!」
「あのう?一つ伺ってもいいですか?」
「何だ!」
「あの助手の女の人を台の上の箱の中に入れて、大きな、とても日常生活では使用しないような、とても大きな刃物で切断して、クルクルクルクル切断した助手の美人の女の人を回した後に元通りにする例のマジックって、どうやってるんですか?」
「何を伺ってんだ!俺はマジシャンじゃない!で、例えマジシャンだったとしても答える訳がないだろ!」
「ケチかよ!」
「おい!お前この状況が分かってんのか?この銃の引き金を引けば、お前なんて簡単に殺せるんだぞ?」
「痛い!ググってされたら痛い!」
「そりゃあ!お前が訳の分かんない事を言うから多少は、ググってするだろ!」
「貫通して死ぬ!」
「死ぬかよ!銃で何でそんな殺し方すんだよ!そんな力があるなら、銃なんて使わないで、拳だけで十分だ!」
「あのう?怒ってる途中申し訳ないんですけど?」
「怒ってる途中でそう言う事を言い出すの社会人としてどうかと思うが、何だよ!!」
「鼻の頭が物凄く痒いんですけど?」
「髪の毛切りに来たんじゃねぇんだよ!」
「いえ、今のは特殊メイクでゾンビになってる途中の感じです!あのストローで水を飲んでる感じです!」
「そんなの分かるか!で、何でちょっとイラッとして背中押し返す?死にたいのかよ!」
「死にたいのか死にたくないのかを聞かれたら、死にたくないに決まってるでしょうが!でも、イラッとしちゃったんだから、仕様がないで仕様が!人間そんなに高性能に出来てませんよ!そんな高性能に出来てるんなら、人間なんてやってませんよ!」
「物凄く怒って来んじゃん!そして、物凄く意味不明な事を口走って来んじゃん!」
「はい。」
「手を挙げるな!」
「これから物凄く奇妙な質問をする事をお許し下さい。」
「さっきから奇天烈な事ばっかだけどな!」
「なぜ?背中に銃を当てられてるのでしょうか?僕は?」
「ある意味、急展開でびっくりだよ!」
「いや、僕もそんなに暇な訳じゃないんで、貴方と遊んでる訳にはいかないんですよ。これから家に帰って右手の指紋迷路をしなきゃならないんです。」
「果てしなくどこまでもとことん暇人!?」
「それも右利きの僕がですよ!どうなるんですか!脱出出来るんですか!この迷路!」
「その常人には理解不能な変な雰囲気の興奮やめてくれるか?」
「ではなぜ!僕は、背中に銃を当てられなきゃならないのか教えて下さい!もしくは!どうすれば世界が平和になるのか教えて下さい!あと!」
「まだあんのかよ!」
「もう何年もビンの蓋を開ける事が出来ないピクルスがあるんですけど、そろそろ捨ててもいいでしょうか!」
「なぜその質問をこの状況で俺にぶつけて来た?」
「子供の頃から!」
「逆にそんなに大事にしてるもんを俺の判断に委ねていいのか?」
「もう誰かの判断に委ねなければ、捨てるに捨てられないんです!そう言うのってあるでしょ!誰でも一つや二つどんなに努力しても開けられない蓋ってあるでしょ!」
「ねぇよ!」
「助けて下さい!」
「俺の台詞だ!」
「そんなのマンションの屋上から落として割っちゃえばいいじゃん!」
「ならそうしろよ!何で俺が蓋を開けられないで助けを求めてる事になってんだ!お前の、あと、に付き合わされてる事への助けだ!」
「はい。」
「だから、いちいち手を挙げんなよ!」
「いいですか?そんな銃で人を殺しても意味なんてありません。」
「今度は説得しようとしてんのか?」
「人を殺すなら毒でしょ!苦しんで苦しんで苦しんで死んで行く様を見ないと!快楽は得られませんよ?」
「ここがカウンセリングのクリニックじゃなくて良かったよ!」
「さあ!この毒を使いなさい。」
「うがい薬じゃねぇか!」
「その毒を使って僕を殺しなさい。」
「のどのイガイガが解消されるだけじゃねぇか!」
「それだけじゃない!」
「他にも何かあんのか?」
「のどのイガイガが解消される!」
「言ったよ!」
「あと!目に入れると目のイガイガが解消される!それと!ケンカしてる恋人達に入れるとケンカしてる恋人達のイガイガが解消される!」
「何でそこら中、イガイガだらけなんだよ!」
「そろそろ教えてくれませんか?なぜ僕は背中に銃を当てられてるんですか?」
「どの口が、さも俺が原因でこの状況が生まれてるみたいな事を言ってんだ?」
「マジシャンなんでしょ?そろそろタネを明かしたらどうです?」
「マジシャンじゃねぇって言ってんだろ!教えてやるよ!いいか?お前はさっきこの銃で俺に撃たれたんだよ!心臓をな!でも、倒れてしばらくしたら、ムクって立ち上がって何事もなかったかのように呆然と立ち尽くす俺の前を通り過ぎてったから、慌てて追い掛けて来た俺に、背中に銃を当てられてんだ!いいか?今度は、頭を撃ち抜くからな!」
「不死身か!」
「お前がだ!」

第六百五十二話
「この男、殺せたら億万長者」

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2018年12月19日 (水)

「第六百五十三話」

「オレは、怪力だ!」
「オレも、怪力だ!」
「お前は、良い怪力か?それとも、悪い怪力か?」
「オレは、悪い怪力だ!」
「オレも、悪い怪力だ!」
「なっはっはっはっはっ!」
「くすくす。」
「おい!」
「何だ!」
「お前、本当に悪い怪力か?」
「オレは、悪い怪力だ!なぜ、疑う!」
「だって、オレが、なっはっはっはっはっ!って豪傑に笑ったのに対して、お前は!悪い怪力だって言うお前は!くすくすって、お淑やかに笑ったからだ!」
「おい!ちょっと待て!」
「ちょっと待つ!」
「悪い怪力ってのは、全員が豪傑に、なっはっはっはっはっ!って、笑わなきゃいけないのか?笑い方なんてのは、悪い怪力各々で違うもんだろ?雰囲気でモノを言うな!」
「ごめん。オレ、雰囲気でモノを言ってた!」
「許す!」
「ありがとう!お前、良い怪力だな!え?良い怪力?お前、本当に悪い怪力か?」
「オレは、悪い怪力だ!悪い怪力が、悪い怪力を許しちゃいけないのか?悪い怪力は、常にどんな事にも激怒してなきゃならないのか?」
「そうだ!悪い怪力なんだから、良い怪力みたいな事はするな!神父さんみたいな事はするな!お前は、神父さんの怪力か?」
「違う!オレは、悪い怪力だ!人の怪力をとやかく言う前に、そう言うお前こそ本当に悪い怪力なのか?」
「当たり前だ!生まれる前からオレは、悪い怪力だ!」
「だったら!今までどんな悪い怪力な事をしたんだ!」
「マンションのドアノブを全部ひん曲げてやった!なっはっはっはっはっ!」
「くすくす。それは悪い怪力だ!後はどんな悪い怪力な事をしたんだ?」
「そのマンションのエレベーターのボタンを全部押し込んで壁にめり込ませてやって、エレベーターを呼べなくして、階段を使う羽目にしてやった!なっはっはっはっはっ!」
「くすくす。それは悪い怪力だ!後はどんな悪い怪力な事をしたんだ?」
「そのマンションの住人全員と握手して複雑骨折させてやった!なっはっはっはっはっ!」
「くすくす。それは悪い怪力だ!後はどんな悪い怪力な事をしたんだ?」
「そのマンションの」
「そのマンションばっかだな!そのマンション以外の悪い怪力な事はないのか?」
「ある!」
「教えて!」
「そのマンションのオーナーの家まで行ってドアノブをひん曲げてやった!なっはっはっはっはっ!」
「そのマンション!大きな集合体で言えば、それもとどのつまりそのマンション!そのマンションに相当な恨み辛みがあったんだな!」
「特にない!」
「悪い怪力!?」
「なっはっはっはっはっ!」
「くすくす。」
「それで?オレだけじゃなくて、お前の悪い怪力っぷりを教えてくれ。」
「いいぞ!オレの悪い怪力っぷりは、お前の悪い怪力っぷりよりも悪い怪力っぷりだぞ!」
「面白い!さあ、教えろ!お前の悪い怪力っぷりを!」
「知らない町の知らない道で、知らない人を殺した!」
「え?」
「知らない町の知らない道で、知らない人を殺した!」
「え?え?殺した?」
「ああ、殺した!」
「捻って引きちぎったのか?」
「違う!」
「頭に手を置いて、思いっきり地面に向けて力を込めて、ぺしゃんこにしたのか?」
「違う!」
「抱き付いて、ぼふって口から臓器を全て吐き出させたのか?」
「違う!」
「じゃあ!どうやったの!」
「知らない町の知らない道を歩いてたら、急にお爺さんが目の前で倒れたから、心臓マッサージしたら、手がお爺さんを突き破っちゃって、そのままお爺さんの心臓は、地球の反対側から宇宙へ旅立った!」
「良い怪力!?結果的に残念な感じになっちゃったけど、心優しき良い怪力!?昔話に出て来そうな良い怪力!?」
「一週間前の話だ!」
「そう言う意味で昔話を引き合いに出したんじゃない!お前、良い怪力で、真面目怪力だな!」
「違う!オレは、悪い怪力で、不真面目怪力だ!」
「だったら、もう一つお前がした悪い怪力エピソードを教えろ!」
「はい!」
「良い返事で真面目返事!?やっぱり、良い怪力の真面目怪力だろ!」
「ボクは、悪い怪力だ!」
「ボク!?ここへ来て、ボク!?」
「ボクのこの取って置きの悪い怪力っぷりエピソードを聞いてもまだ、そんな事が言ってられるかな?」
「良い怪力っぷりのニオイがプンプンするぞ?」
「ボクはな!さっきまで、ボクの事をオレって言ってたんだ!」
「怪力どこ行った!?」
「言ってたんだもん!」
「お、おい!泣くな!良い怪力!」

第六百五十三話
「泣いた良い怪力」

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2018年12月26日 (水)

「第六百五十四話」

「おい!店主!」
「は、はい!?な、何でしょうか?ゴロツキ!」
「ここは、本当に酒場か?」
「馬鹿ですか?酒場ですよ!酒場に決まってるでしょ!だって、ゴロツキはここが酒場だって思って、あそこのドアから入って来たんでしょ?だったら、酒場でしょ!ここは絶対に!この佇まいは確実に!」
「ほう?酒場か。」
「酒場だ!」
「じゃあ、さっさとウォッカを出せ!」
「ない!ウォッカはない!そう何度も言ってるじゃないか!だから、ゴロツキは嫌なんだよ!何度も何度も何度も何度も!何度言っても分からないぐらい頭が悪いからな!酒を注文しないなら帰ってくれ!」
「注文してるだろ!ウォッカだ!ウォッカ!」
「だから!ないって言ってんだから!」
「あのな?店主!」
「何だ!ゴロツキ!ウォッカはないぞ!注文するなら他の酒を注文して下さいよ!」
「おい!店主!いいか?ウォッカのない酒場なんて聞いた事がないぞ?俺はな!吹雪の山を凍えながら馬を走らせてやっと!この酒場に辿り着いたんだ!分かるだろ?体がウォッカ以外受け付けないんだ!ウォッカを欲してるんだ!」
「病気か!ウォッカ病か!だったら酒場なんて来てないで医者に診てもらえ!とにかくないもんはないんだから、どうしようもないだろうが!馬鹿か?あ、ゴロツキか!」
「そうか。どうやら死にたいようだな。」
「もちろん死にたくはないが、この時代にこうしてゴロツキにこんな風に額に銃を突き付けられたら、それはもうあとは神頼みだな!神頼みしかないな!」
「で?最後に何か言いたい事はあるか?」
「ある!」
「聞いてやるから言ってみろ。」
「良いお年を!」
「ああ、お前もな。」

第六百五十四話
「そして、アンハッピーニューイヤー」

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