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2023年8月

2023年8月 2日 (水)

「第八百九十四話」

「では、番号でお呼び致しますので、こちらの番号札をお持ちになって、あちらのお席にお掛けになってお待ち下さい。」
「絶対に嫌だね!」
「何で!?」
「役所の椅子なんかに座ったら、何されるから分かったもんじゃないからな!俺は絶対に座らねぇ!」
「何もしないですし、お手続きには少々お時間が掛かる場合も御座いますので、あちらのお席にお掛けになってお待ちいただいた方がよろしいかと。」
「少々お時間が?どうせ、この書類を持って、13階の3番窓口へ行って下さいとかだろ?で、13階の3番窓口へ行ったら行ったで、この書類を持って4階の2番窓口へ行って下さいとかだろ?で、4階の2番窓口へ行ったら行ったで、この書類を持って6階の8番窓口へ行って下さいとかだろ?で」
「役所への偏見が凄い!?」
「6階の8番窓口へ行ったら行ったで、この書類には不備があるので、もう一度1階の1番窓口へ行って下さいって言うんだろ!」
「役所への偏見が古い!?2階建ての役所でそんなたらい回ししませんよ!ここで全てが完結しますから、どうぞあちらのお席にお掛けになってお待ち下さい!」
「俺はな!役所に俺が俺である証明書を取りに来ただけなんだよ!ただそれだけなんだよ!」
「戸籍謄本ですよね。」
「拘束されて洗脳されて俺が俺でなくなる為に来たんじゃないんだよ!」
「役所を何だと思ってるんですか?」
「役所ってのは、そう言う所だろ!」
「絶対に違う!そんな場所ではない!」
「国民を思考回路を無にして社会の歯車にしようとしてんだろ!だが、俺は抗うね!とことん抗うね!だから、座らねぇよ!そんな椅子には絶対に座らねぇよ!」
「革命家ですか?」
「単なるおっさんだよ!」
「ここは、単なる役所です。」
「単なる役所の割には、ご大層な設備だな!」
「普通だと思いますけどね。むしろ、役所の割には小さいと思いますけど?」
「おい!そんな無駄話はどうだっていいんだよ!とっとと俺が俺である証明書を出しやがれ!」
「モノが戸籍謄本じゃなかったら、強盗の言い回しですよ?」
「おい!聞き捨てならねぇな!そうやって俺を冤罪でハメるつもりか!洞窟で一生働かせるつもりか!」
「思想の偏りが凄いですね。あちらの椅子に座るのが嫌でしたら、そのままお立ちになってお待ち下さい。」
「お前に言われなくてもそうしてるだろ!何も落ちて来ないだろうな!」
「落ちて来るか!書類の準備が出来ましたら番号でお呼びしますね。」
「その人間を番号で呼ぶシステムが既に、人間を人間と考えてない証だろ!そうやってアンタらは、俺から俺を奪い!余計な事を何も考える事の出来ない人形にして、社会の歯車にしようとしてんだろ!」
「どんなクレームですか!逆に名前で呼んだら個人情報ダダ漏れでしょ!」
「俺は俺だ!どっからでもかかって来い!ってなもんだ!」
「・・・規則ですので、番号でお呼び致します。」
「あ、分かったぞ!そうか!そうだったんだな!」
「嫌な予感しかしない。」
「お前は既に人間じゃないんだな!役所に拘束されて洗脳された人間人形なんだな!」
「何なんですかそのどっちつかずのネーミング!」
「おい!思い出せ!お前にも大切な家族がいたんだぞ!」
「何か?説得されてます?心の奥底にある大切な何かを思い出させようとしてます?私を人間人形から人間に戻そうとしてます?」
「そうだ!お前は役所の人間人形なんかじゃない!思い出すんだ!人間としてお前がどんな仕事をしてたのか!ある日突然、役所に行くと言って帰って来ないお前の帰りを待つ家族の顔を!」
「かれこれ勤続30年ですけどね。」
「辛かったな。」
「いえ、それなりに楽しかったですよ。」
「家族の顔は覚えてるのか?」
「毎日会ってますからね。」
「そうじゃねぇよ!」
「そうじゃない?」
「今、お前が会ってる家族は、役所が用意した偽物の家族だ!俺が言ってるのは、本当の家族の顔だ!」
「ここに来る前に何かそう言った映画とかを観たんですか?」
「おい、いいか?俺がここから出してやる。」
「17時過ぎには出れますけど?」
「本当の家族に会いたいだろ?」
「アナタは、私の本当の家族を知ってるんですか?」
「今日会ったばっかのお前の本当の家族を俺が知る訳ないだろ!」
「じゃあ、ここから出たとして、どうやって私を本当の家族の所へ?」
「まず、お前を病院へ連れて行く。」
「病院へ?」
「だが、正規の病院はダメだ。全部役所の息が掛かってる。見付かって役所に連れ戻されるのがオチだ。」
「だったらどうするんです?」
「正規じゃない医者の所へ連れて行く。」
「正規じゃない医者の所へ連れて行けちゃうアナタの方がヤバい人じゃないですか?」
「そこで、頭の中に埋め込まれた装置を取り除いてもらう。」
「頭の中に装置が埋め込まれてるんですか?私は?」
「埋め込まれてるに決まってるだろ!」
「アナタの言う通りにしたら、死にません?私?」
「本当の家族に会いたくないのか?」
「あ、お待たせ致しました。戸籍謄本です。」
「ありがとう。じゃあ、17時過ぎに迎えに来る。」
「パスポートの申請所では静かに座ってお待ち下さいね。」
「絶対に座らねぇよ!あそこはあそこでヤベェんだ!じゃあな!」
「・・・ふぅ、今日は、早退してケーキでも買って帰るかな。」

第八百九十四話
「ギリギリ迷惑ではない人」

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2023年8月 9日 (水)

「第八百九十五話」

「なかなかやるな!だか、これで終わりだ!」
男の一刀は、男の頭を胴体から斬り落とした。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・なかなかの強敵だったな。」
「よいしょっと。」
頭を斬り落とされた男は、地面に転がる頭を拾い、慣れた手つきで胴体にくっつけた。
「よいしょっとじゃない!何で死なないんだよ!」
「あ、ちょっとズレてるかな?」
頭を斬り落とされた男は、胴体にくっついた自分の頭を微調整した。
「だから!何で頭を斬り落としたのに死なないんだよ!」
「ん?うん!これでよしと!」
「聞いてんのか?」
「来い!」
「来いじゃない!来いじゃ!」
「まだ勝負は終わってない!」
「終わったんだよ!拙者がお主の首を斬り落とした時点で勝負は終わったんだよ!拙者の勝ちで幕は下りたんだよ!」
「だが、拙者は斬り落とされた頭を拾い上げて慣れた手つきで胴体にくっつけ、こうして立っている!勝負はまだ着いていない!」
「え?そう言う奴なの?」
「どう言う奴だ!」
「頭を斬り落とされても生きてる奴なの?」
「知らん!」
「知れ!何だ知らんって!何で知らんなんだよ!自分の事だろ!」
「いやまあ、何て言ったらいいのか分からないけど、ここで死んだらダメだ!まだ勝負は終わってない!って、思ったら頑張れた。」
「頑張れたって何だよ!頑張れたって!頑張りでどうにかなるもんじゃないだろ!頭を胴体から斬り落とされたってのは!」
「でも、お主も見ただろ?拙者の頑張りを?」
「見たは見たよ。」
「拙者、頑張れた!」
「いやでも、慣れた手つきでって言ってなかったか?」
「ああまあ、こう言った事が一度や二度ではないからな。そりゃあ、嫌が故にも慣れるってもんさ。なっはっはっはっはっ!」
「え人間?」
「拙者?」
「そう!」
「拙者は、人間だよ。バケモノにでも見えるか?」
「見える!」
「最近少し太ったからなぁ?」
「いや、首を斬り落としても慣れた手つきで胴体にくっつけたからだ!」
「それは、心外だ!」
「首を斬り落としても慣れた手つきで胴体にくっつける様を目の当たりにしたら、誰だってバケモノだと思うだろ!」
「やった事あるの?」
「何の話だ。」
「だから、やった事あるの?」
「だから、何をだ!」
「斬り落とされた頭を胴体にくっつけた事があるのかって!」
「ねぇよ!」
「じゃあ、人をバケモノ呼ばわりするのは、やめてもらおうか。」
「え?どう言う事?頑張れば、拙者にもお主の真似が出来る、とでも?」
「おうとも!」
「出来るか!胴体から頭を斬り落とされた時点で事切れるわ!」
「頑張れよ!そこで頑張れよ!頑張って頑張って頑張らないから事切れるんじゃん!」
「無理だろ!事切れてんだから!」
「いやいやいや、それは頑張り所が間違ってんだよ。どこで、頑張ろうとしてる?」
「頭が胴体から斬り落とされた時。」
「いやいやいや、それじゃあ、どう頑張っても死んじゃう!無理無理!」
「だから、無理だと言ってるだろ!」
「刀が首に触れるか触れないかの瞬間から頑張らないと!」
「達人かよ!そんな瞬間を意識的に意識出来るかよ!」
「なら、相手が刀を抜いた時から頑張ればいいじゃん。」
「何でそんな段階から己の頭が胴体から斬り落とされるイメージしなきゃなんだよ!全く勝負に集中出来ないだろ!」
「いや、そんなガッツリ意識しないで、頭の片隅にチラチラ無意識してればいいじゃん。」
「大達人かよ!無意識持ち出したらそれはもう大達人だろ!あと、頑張ればいいって、何をどう頑張るんだよ!根本から既に分からねぇんだわ!」
「じゃあ、ちょっとやってみよう!口で言うより実際にやってみた方が早い!」
「嫌だろ!」
「嫌じゃない!」
「嫌じゃないじゃないだろ!」
「最初だから軽めにやるよ。」
「首を胴体から斬り落とすのに軽いも重いもないだろ!」
「ゆっくりやるから。」
「単なる拷問だろ!」
「質問しないから。」
「そう言う問題じゃない!おい!ふざけるのもいい加減にしろ!」
「拙者は、真面目だ。」
「これは、幻覚なのだろ?」
「幻覚?」
「そう、拙者はお主の何かしらの術により、幻覚を見せられているのだろ?」
「幻覚に逃げるな!これは、現実だ!現実で拙者が頑張った結果だ!それを幻覚扱いするな!」
「分かった。なら、拙者がもう一度、お主の首を胴体から斬り落とす。」
「もっかい拙者に頑張れと?」
「そうだ。」
「んまあ、いいでしょう!」
「行くぞ?」
「来い。」
「これで終わりだ!」
男の一刀は、男の頭を胴体から斬り落とした。頭を斬り落とされた男は、地面に転がる頭を拾い慣れた手つきで胴体にくっつけた。
「よいしょっと。」
「何でなんだよ!」

第八百九十五話
「頑張り屋さん」

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2023年8月16日 (水)

「第八百九十六話」

「どう言う事ですか!社長!」
「どうもこうもない!今後、我が社はこの商品一本でやって行く!」
「恐竜が絶滅したと言われているこの地球上で!恐竜撃退スプレーって、社長!アンタ一体感何考えてんですか!」
「嘘の目撃情報は、結構聞くぞ!」
「嘘の目撃情報じゃん!」
「いいか?社員5人の小さな会社が!世界をひっくり返すような一発逆転するには!こう言う奇抜な商品しかないんだよ!」
「奇抜過ぎるでしょ!いやもう、奇抜過ぎるを通り越す以前に、ジョークグッズでしょ!こんなもん!」
「ジョークグッズ?何を言っているんだ!キミは!私はな!本気だ!」
「それがヤバいんですよ!本気なのが本気でヤバいんですって!ジョークグッズならまだ分かりますよ!まだですけどね!そこ本気なの本気でヤバいんですって!社長!」
「この恐竜撃退スプレーはな?どんな恐竜も一吹きで撃退出来るんだ。」
「何で商品説明してるんですか!」
「商品説明しなきゃ、これがどんなに素晴らしいスプレーだか分からないだろ!」
「どんな恐竜も一吹きで撃退出来るって、恐竜が絶滅したこの世界で一体どんな恐竜で実験したんですか!」
「昨今、恐竜愛護団体とかがうるさいからな。恐竜を撃退すると言っても、何も恐竜を殺傷するモノではなく、あくまで撃退するだけのスプレーだ。恐竜が逃げて行く訳だな。」
「え?同じ地球上にいるのに、僕と社長は、全く違う次元の人同士なんですか?」
「勿論、人には害の無い成分だ。尚且つ恐竜が嫌う成分で作られている。恐竜にも無害だ。ウィンウィンだ。」
「え?会話が噛み合ってない。社長!何がウィンウィンですか!社長!」
「何だ!」
「プシューーーーーーーー!!」
「何で恐竜撃退スプレーを吹き掛けるんですか!?」
「すまん!急に大声で話し掛けられたから、恐竜かと思って、つい驚いて噴射してしまった。だが、人には害の無い成分だから安心しなさい。勿論、恐竜にも無害だ。」
「人にも恐竜にも害の無い成分って、社長?バニラですか?物凄いバニラのニオイなんですけど?」
「さすがバニラ好きだな。気付いたか!」
「バニラ好きではないですけど、こんなバニラのニオイを漂わせてたら、誰だって気が付きますよ。え?恐竜って、バニラのニオイが嫌いなんですか?」
「恐竜って、バニラのニオイが嫌いなんだよな。」
「そうなんですか!?」
「そうなんだよ。」
「本当ですか!?」
「何を疑ってんだ?」
「疑うでしょ!疑うしかないでしょ!だって、恐竜は絶滅してるんだから!どうやって、恐竜が嫌うニオイを突き止めたんだってなるでしょ!なるってもんでしょ!」
「そこは、トップシークレットだよ。」
「トップシークレットで何でもかんでも解決出来ませんよ!え?そこトップシークレットにします?だとしたらこれからこの商品は、社長一人が作って行くって言うんですか?恐竜の専門家が言ったんですか?恐竜は、バニラのニオイが嫌いだって!」
「詰め寄りが凄いな。」
「いや、詰め寄るでしょ!ここ詰め寄らないでどうするんですか!会社の存続が懸かってるんですから!恐竜の専門家が言ったんですか?恐竜を長年研究してる恐竜に人生を捧げた博士が言ったんですか?言ったんですよね!そうなんですよね!」
「まあ、これに関しては、私の勘だな。」
「勘て何ですか!勘って!恐竜は、たぶんバニラのニオイが嫌いなんだなぁ?とかって社長の勘って事ですか!布団に入って眠りに落ちる前に、ふと脳裏に過った勘ですか!そんな訳の分からないその場の思い付きのよ」
「プシューーーーーーーー!!」
「何で噴射するんですかっ!」
「凄いから、もう詰め寄りが凄いから、ここは噴射だなと。噴射のタイミングだなと。」
「僕は恐竜じゃないんですから!そんなスプレー噴射したって、この場から立ち去りませんよ!むしろ、逆に詰め寄りが酷くなるだけですよ!そんな事されたら!」
「すまん!」
「社長、これはこれでジョークグッズとして発売するのは、構いません。社長の訳の分からない眠りに落ちる前の思い付きシリーズとして、発売するのは、一向に構いません。」
「ありがとう。」
「いえ、僕も少し、いやかなり熱くなってしまって、社長に失礼な態度を取ってしまって申し訳ありませんでした。」
「プシューーーーーーーー!!」
「何で頭を下げてる社員に対して!その頭頂部にスプレー噴射すんだ!」
「これに関しては、何となく。」
「嫌がらせかよ!スプレーハラスメントかよ!」
「よし!じゃあ今後は、この恐竜撃退スプレーでやって行こう!」
「え?何でそうなった?ジョークグッズだとしてもそのスプレーだけでやって行くのは無理でしょ!」
「安心しなさい。チョコレートのニオイのスーパー恐竜撃退スプレーもある!」
「真剣に辞めようかな?」
「「プシューーーーーーーー!!」」
「真剣に辞めようかな?って呟く社員に対して、ダブルで噴射って何なんですか!ソフトクリームのミックス感覚ですか!」
「あっはっはっはっはっはっ!!」
「え?ツボった?」
「あっはっはっはっはっはっ!キミ!それを言うならソフトクリームのミックスだろ!」
「言っただろ!」
「あっはっはっはっはっはっ!」
「ええ!?僕、こんな感じで辞職なの?」
「あっはっはっはっはっはっ!!」

第八百九十六話
「リストラ大作戦」

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2023年8月23日 (水)

「第八百九十七話」

「次の方、どうぞ!」
「先生。」
「どうしたました?」
「私の耳の穴の中に、どうやらドラゴンがいるようなんです。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「え?」
「え?」
「え?」
「え?」
「え?」
「え?」
「やめろ!僕の聞き返しを聞き返さないで下さい!」
「いやでも、あんなにはっきりと大きな声で言ったのに聞き返されるなんて、聞き返さざるを得ませんよ。」
「何か、おちゃらけた事を言ってるから聞き返したんですよ。」
「誰がおちゃらけてるんですか!」
「アナタですよ。」
「そんな事を言ったら、先生の方がおちゃらけてるじゃないですか!」
「何で僕がおちゃらけてるんですか!僕の一体どこがおちゃらけてるんですか!」
「白衣着てるじゃないですか!」
「診察中に医者が白衣着て、おちゃらけてるなら、この世界におちゃらけてない医者いないだろ!」
「耳の穴の中に、どうやらドラゴンがいるようなんです。」
「それが、おちゃらけてるって言ってんだ!」
「断定してないからですか?」
「そう言う問題じゃない!」
「耳の穴の中に、ドラゴンがいます!」
「だから、そう言う問題じゃないって言ってるでしょ!」
「おちゃらけないで下さい!」
「ずーっと、こっちの台詞だ!その台詞は!」
「おちゃらけてません!」
「おちゃらけてない。」
「はい。」
「おちゃらけてない。」
「はい。」
「耳の穴の中に、ドラゴンがいるんですね!」
「はい!」
「おちゃらけてないんですね!」
「はい!」
「本当に耳の穴の中に、ドラゴンがいるんですね!」
「はい!」
「なら、見ますよ?耳の穴の中を見たら、アナタ一発で終わりますよ?一発で、おちゃらけバレますよ?」
「耳の穴の中を見せる訳にはいきません!」
「なぜ見せられない!それは、耳の穴の中に、ドラゴンがいないからでしょ!アナタが、おちゃらけてるからでしょ!」
「違います!」
「何が違うんですか!」
「私は、先生の命を守りたいからです!」
「僕の命を守りたい?どう言う事ですか?おちゃらけの上乗せですか?」
「先生が私の耳の穴の中を覗く、ドラゴンと目が合う、ドラゴンが火を吐く、先生が丸焦げになる、からですよ!」
「おちゃらけの上乗せじゃん!」
「おちゃらけを上乗せてなんかいません!私は、先生の命を守りたいだけです!」
「僕の命を守りたいってね。所詮は、耳の穴の中のドラゴンですよね?火を吐いたからって、たかが知れてますよね?僕の目が軽く火傷する程度でしょ。」
「先生、ドラゴンをなめちゃいけません。」
「なめてませんよ。想像上の生き物なので、そもそもがなめようがありませんから。」
「ドラゴンのそれは、先生の目から体内に入り込み、業火となり、先生を消し炭と化す破壊力はあるんです。だから、絶対に覗かないで下さい。」
「じゃあ、アナタは、ここへ何をしに来たの?僕に、耳の穴の中のドラゴンを取り除いて欲しいんじゃないの?」
「違います!」
「あそうなの?じゃあ、何なの?僕、忙しいんだよ。手術とかあるしさ。」
「耳の穴の中のドラゴンの体調が悪いんです。」
「ほらまた、おちゃらけた!忙しいって言ってんのに、どうしておちゃらける?」
「おちゃらけてません!」
「ドラゴンを治療しろって言いたいんだろ?これのどこがおちゃらけてないんだ!」
「違います!」
「何が!」
「耳の穴の中のドラゴンを治療して欲しい訳じゃありません!」
「じゃあもう、マジで何しに来たの?」
「子供が産まれそうなんです。」
「何匹いんの!?いや、どんだけおちゃらければ気が済むんだ!」
「おちゃらけてません!」
「そもそもアナタは、どうやって耳の穴の中のドラゴンの状態を認識してんだ。消し炭と化す破壊力があるんでしょ?」
「そんなの耳から出て来た時に、ですよ。」
「おい!マジでここに何しに来たんだ!」
「おちゃらけに、ですよ。だってここは、おちゃらけ科ですから。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「おちゃらけ科は、隣だ!」
「え!?と、隣!?す、すいませんでした!失礼しました!」
「全く、困ったもんだ。次の方、どうぞ!」
「・・・先生。」
「どうしました?」
「実は、耳の穴の中にドラゴンがいるんです。」
「おちゃらけの奇跡起きちゃったけど!?」

第八百九十七話
「ほんにゃら科」

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2023年8月30日 (水)

「第八百九十八話」

夜中に目が覚め、トイレに行くと、そこには、便座に座る王様がいた。
「大臣よ。」
「大臣?」
「決めたぞ。」
「何を?」
「今すぐ兵を出せい!!」
「プゥ~!」

第八百九十八話
「平行世界が時空の歪みにより生じて何だかんだ与える影響への考察」

そして、僕は今、ギロチンの刃が落ちて来るのをこうして待っている。























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