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2024年1月

2024年1月 3日 (水)

「第九百十六話」

「え?」
「何?」
「・・・・・・。」
「何?」
「え?」
「何?」
「お前、今目が光ったよな?」
「光ってないわよ。」
「光ったよ。」
「光ってないわよ。何バカな事言ってんのよ。」
「言ってないよ、バカな事。」
「え?」
「何?」
「え?」
「何?」
「食べないの?九色丼。」
「食べるよ、九色丼。」
「明日も会議で早いんでしょ?」
「早いよ、明日も会議で。」
「だったら、アタシの目が光ったとかバカな事言ってないで、食べてお風呂入って寝たら?」
「・・・・・・。」
「どうしたの?」
「お前、人間か?」
「人間でしょ!人間だから結婚したんでしょ?何言ってんのよ!」
「いやでも、人間は目が光らないだろ。」
「だから、光ってないって!九色丼食べないの?」
「食べるよ。」
「食べてないじゃん。」
「食べるよ。」
「じゃあ、食べてよ。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・九色丼、美味いな。」
「ありがと。」
「で、何で目が光ったんだ?」
「光ってないって!」
「で、何で目を光らせたんだ?」
「光らせてないって!明日も朝早いんでしょ?」
「早いよ、明日も朝。」
「下らない事言ってないで食って入って寝たら?」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・九色丼、お代わりあるのか?」
「あるわよ。お代わりする?」
「絶対、目が光ったよな?」
「光ってないって!」
「いや、光ったよ!俺、見たもん!」
「見間違いでしょ!」
「見間違いなんかじゃない!」
「仕事で疲れてるんじゃないの?」
「仕事で疲れてようが、見間違えるはずないだろ!目が光ったんだから!」
「だから、光ってないって!」
「あのな?一瞬、ピカッて光ったんだったら、俺もああ、仕事で疲れて見間違えたんだろうな?って、ちょっと働き過ぎなのかな?って、あえて話題にもしないよ。でも、ビカーッて光ったんだぞ!俺、その瞬間、両手で顔を覆ったんだぞ!そんな見間違いある訳ないだろ!」
「九色丼、食べないの?」
「食べるよ!九色丼!でも今は、九色丼どころじゃないんだって!お前の目が光ったんだって!」
「何度も言ってるでしょ?アタシの目は光ってない!光る訳がない!」
「じゃあ、お前の目が光ってないとしよう。」
「光ってないからね。」
「俺が仕事で疲れて見間違えたんだとしよう。」
「光るはずがないからね。」
「だとしたら、俺が体験した現象は何だったんだよ!あのビカーッて!」
「知らないわよ!知る訳がないでしょ!アタシは、超常現象の専門家じゃないんだから!」
「見たよな?」
「何を?」
「俺が両手で顔を覆ったの!」
「見たよ。」
「光ってんじゃん!」
「光ってないわよ!」
「じゃあ、何で俺は、光りから顔を守る為に両手で覆うような事してんだよ!」
「知らないわよ!何か急に格好つけたくなったんじゃないの!」
「バカか俺は!どんなタイミングで格好つけのポージングしてんだよ!」
「何か汁、飲まないの?」
「何か汁、飲むよ。」
「下らない事言ってないで、九色丼食べて、何か汁飲んで、お風呂入って、寝たら?」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・何か汁、美味いな。」
「ありがと。」
「光ったよな?」
「しつこっ!究極にしつこっ!大丈夫?そんなしつこさ携えて、会社で上手くやれてんの?上司とか取引先の人にも言ってないわよね?」
「何を?」
「今、目が光りませんでした?とか!」
「言うか!何で俺は、誰彼構わず手当たり次第に目が光ったか尋ねてんだよ!光った人にしか言わないだろ!」
「なら、アタシにも絡まないでよ。」
「お前は、光った側の人間だろ!光った側の人間だから光らせられた側が言ってんだろ!光ったよな?」
「光ってません。」
「なら、俺のあの時のこの行動はなんだったんだよ!」
「知らないって!アタシからしたら、急にあんなポージングされて不気味で仕方なかったわよ!」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・いつまでそのポージングしてんの?」
「・・・九色丼、お代わり。」
「ん・・・・・・あ、ごめん、八色丼になっちゃうけどいい?」
「いいよ。」

第九百十六話
「明日のお昼は、無色弁当」

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2024年1月10日 (水)

「第九百十七話」

「おはようこざいます!30秒社長!」
「おはよう。」
「で、ですね!先日の取引先との半導体を超える半導体の話なんですが、いやまあ、これだと半導体じゃないかって話なんですが、実際まだ実験段階でして正式名称がないので、とりあえずここでは、半導体を超える半導体と呼称させて下さい。で、ですね!これは、ウチの産業スパイの極秘情報なんですが!どうやらライバル会社がウチを遥かに上回る額を提示して独占するつもりらしいんですよ!我が社も対策を練らなければと思いまして社長の意見を聞きたくこうして待っていた次第で御座います。」
「あ、先輩、おはようこざいます!」
「終わっちゃったぁ!30秒経っちゃったぁ!もう社長じゃなくなってる!昨日の練習では何とか社長の意見まで30秒だったのに、本番緊張からペース配分間違えたぁ!意見持ち帰れなかったぁ!どうしよう?明日からは、また違う部署の順番で、ウチの部署が次に社長に会えるのは、1週間以上先だぁ!絶対間に合わない!独占確実だぁ!ここまでどうにかこうにかやって来たプロジェクトが台無しだぁ!」
「大丈夫ですか?お先に失礼します。」
「社長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

第九百十七話
「8時間59分30秒新入社員」

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2024年1月17日 (水)

「第九百十八話」

 トイレで、排便時、本を読む。俺にとってこの時間は、何よりも至福の時間だ。日常の中の何気ない中で、最幸福を感じる貴重な時間だ。
「ハクション!」
鼻腔をくすぐる突然のくしゃみにより、俺は読んでいた本をトイレの床で落としてしまった。その瞬間、俺の脳裏にある想像が浮かんだ。仮にもし、トイレの床が無かったら、本は奈落の底に落ちていただろう。
「・・・馬鹿馬鹿しい。」
いや、本当に馬鹿馬鹿しい話だ。なぜなら、トイレの床が無かったら、奈落の底に落ちるのは本どころの話ではない。便器ごと俺も奈落の底だ。
「え?」
その瞬間、俺は漆黒の闇の中にいた。
「ここは?」
「奈落の底のような場所だ。」
俺の目の前には、漆黒の闇の中で真っ赤な目を光らせた悪魔が大きな翼を広げ、腕を組み立っていた。
「お前は!?」
「悪魔みたいな存在だ。」
「どう言う事だ?俺は、夢でも見てるのか?」
「いいや、お前は夢など見ていない。お前は、奈落の底のような場所に落ちたのだ。」
「死んだのか?」
「いいや、そうではない。」
「生きてるのか?」
「ここを何かと勘違いしているようだが、ここは単なる奈落の底のような場所だ。だから、お前は死んでなどいない。」
「悪いが、俺にはお前の言っている言葉の意味が分からない。」
「深く考える必要はない。極稀ではあるが、ここに人間が落ちて来る事がある。」
「これが夢でも死んだんでもないんだとしたら、俺はここからどうやって元の世界へ戻る事が出来るんだ?」
「元の世界?それは少し表現が歪だ。ここもお前がいた世界だ。世界線は同じで、ただお前が奈落の底のような場所に落ちて来ただけだ。」
「なら、俺はどうすれば上に戻れる?」
「簡単な話だ。」
「簡単?俺には、難関としか思えないが?」
「私が話す話を聞けばいい。ただそれだけでいい。」
「悪魔の話す話?」
「悪魔ではない。悪魔みたない存在だ。」
「お前と話してると頭がおかしくなりそうだ。さっさと話があるなら話して、俺を上に戻してくれ。」
「では、お前の死ぬ時を話そう。」
「ちょっと待て!」
「どうした?今すぐにでも上へ戻りたいのだろ?」
「上へ戻るには、自分の死ぬ時期を知らないと戻れないのか?」
「それが、奈落の底のような場所に落ちた者へのペナルティーだ。」
「何て理不尽で不条理なんだ。」
「本来、ここは人間が立ち入ってはならない場所なのだ。生きて上へ戻れるだけ感謝して欲しいものだ。」
「・・・分かった。それしか戻る方法がないなら、俺には理不尽を受け入れるしかない。それで?俺が死ぬのは、何年の何月何日何時何分何秒なんだ?」
「何か勘違いをしているようだな。人間よ。」
「何が勘違いなんだ?」
「死ぬ時を話すと言うのは、そう言う事ではない。」
「だったら、どう言う意味なんだ?」
「では、話そう。人間よ、お前が死ぬ時は、ペチャッ!だ。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・本当にお前と話してると頭がおかしくなると言うか気分が悪くなるな。俺が死ぬ時がペチャッ!って、どう言う意味だ。」
「意味?意味などない。お前が死ぬ時が、ペチャッ!と言う事実を話しているだけだ。」
「俺は、何かに潰されて死ぬって事か?」
「さあ?ペチャッ!は、ペチャッ!と言うだけで、その音の強弱は分からない。お前自身が発する音なのか回りから発せられた音なのか分からない。そもそもが音なのかも分からない。」
「音じゃない?」
「お前が死ぬ時に見た文字が、ペチャッ!なのかもしれない、ペチャッ!と言う商品なのかもしれない。或いは、個人の名前なのかもしれないと言う意味だ。」
「俺は、これからの人生、ペチャッ!に怯えながら生きなきゃならないって事か?全く何て理不尽なペナルティーなんだ。」
「理不尽、理不尽、とお前は言うが、そもそもがここへ落ちて来る事からして理不尽なのだから、戻る為にも理不尽でなければならないのは、道理だろ?それが、奈落の底のような場所に落ちてしまった人間を戻すルール、運命なのだ。」
「そうかい。ああ、そうかい。それで?一体俺はいつになったら上へ戻れるんだ?」
「いつでも戻れるが、雑談を仕掛けて来てるのは、お前の方で、私ではない。」
「そうかい、そうかい。ならもう、さっさと戻してくれ。」
「では、目を瞑り、目を開けよ、人間。そうすれば、お前は上へ戻れる。」
「そんな事で戻れるのか?」
目を瞑って話す俺の問いに答える者はいなかった。ゆっくりと目を開けるとそこは、最幸福のトイレの中だった。
「・・・やっぱり夢だったのか?」
と、その瞬間、肛門から残便がゆっくりと便器に落ちる音がした。

第九百十八話
「ペチャッ!」

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2024年1月24日 (水)

「第九百十九話」

「勉強かい?お嬢さん。」
「誰だ!お前!」
「俺かい?俺は、少年少女の味方、試験前日勉強しなくていいマンだ!」
「帰れ!」
「なぜだい!お嬢さん!」
「アタシは今!試験前日でとてもとても忙しいんだ!」
「ああ、分かっている!分かっているさ!お嬢さん!だから俺は来たんだ!ここへ来たんだ!そう俺は、少年少女の味方、試験前日勉強しなくていいマンだ!」
「敵だろ!いや、そんなのどうでもいいから帰れ!」
「なぜだい!お嬢さん!」
「とてもとても勉強の邪魔だからだ!」
「分かった。」
「はいはい、バイバイ。」
「さて、お嬢さん。」
「落ち着くな!腰を上げろ!」
「これから何して遊ぼうか。」
「お前、やっぱり敵だろ!」
「いやいやいや、俺は、少年少女の味方、試験前日勉強しなくていいマンだ!」
「そのネーミングが敵だって言ってるんだ!」
「カードゲームはどうだ?二人でも楽しめるカードゲームを俺はいっぱい所持しているぞ!」
「帰る選択肢はないのか!」
「ない!」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・だったらせめて黙ってくれ。」
「無理!」
「何なんだお前は!どう言うつもりなんだ!分かってんの?明日の試験の結果でアタシの将来が左右されちゃうの!」
「お嬢さん?」
「とてもとても大事な試験なの!明日の試験は!」
「変顔対決をしよう!」
「何で試験前日の夜に、訳の分からない奴と訳の分からない対決しなきゃならないんだ!勉強の邪魔だから帰ってって!」
「変顔対決しながら二人でも楽しめるカードゲームをやろう!」
「おい、おいおいおい!試験前日勉強しなくていいマン!」
「とう!何だい!」
「試験前日勉強しなくていいマンって何なんだ!試験前日勉強しなくていい訳ないだろ!」
「お嬢さん、試験前日勉強しなくていいんだ!そうなぜなら俺は、少年少女の味方、試験前日勉強しなくていいマンだからだ!」
「理想だけでの思想で生きてんのか!そりゃあ、試験前日にいつものようにいつもの時間に寝れるような天才的な頭脳だったらいいよ!けど、アタシはそうじゃないの!凡人オブ凡人だから、ギリギリのギリまで勉強しなきゃなの!」
「今話題の漫画から試験前日勉強しなくていいマンおすすめの漫画まで、取り揃えているぞ!」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・殴っていい?」
「いいぞ!」
「セイ!」
「試験前日勉強しなくていいマンバリア!」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「はあ?」
「危ない危ない。」
「何今の?」
「試験前日勉強しなくていいマンバリアだ!そんな事より、殴っていい?からの回し蹴りとは、バリアがなければ顔面陥没は免れなかったぞ!」
「本物なの?本物のそう言う奴なの?」
「ああ、そうさ!そうだと言っているだろ!俺は、少年少女の味方、試験前日勉強しなくていいマンだ!」
「勉強させて!」
「ダメだ!」
「ダメだって何!ダメだって何なの!」
「美味しい美味しいお菓子と美味しい美味しい飲み物で、ゆっくり朝まで楽しい楽しい雑談でもしようではないか!」
「するか!アタシは、勉強をする!」
「させるか!」
「させろ!」
「させるか!」
「させろ!」
「させるか!」
「何なんだ!普通、羽交い締めとかだろ!何でアンタが勉強してんだ!」
「何でって、俺が勉強しなきゃ、お嬢さんが勉強してしまうからだろ!」
「勉強がそんな悪なのか!」
「勉強は、悪ではない!」
「じゃあ!何なんだ!この状況は!理解不能だろ!」
「勉強は、悪ではない!ただし、試験前日の勉強は、悪だ!」
「何でだ!一番悪じゃないだろ!」
「うーん?これは、なかなかの難問だな。」
「何、真剣に勉強に取り組んでんだ!」
「おっと、いけないな。俺が勉強している間、お嬢さんには、試験前日勉強しなくていいマンセレクションの映画でも観ていてもらわなくてはな!」
「観るか!」
「この公式を当てはめて、いや、違う。」
「もしかして?」
「うーん?答えは分かるが、答えまでの過程が分からんぞ!」
「いや、じゃあ何で答え分かるんだ!って、そうじゃなくて、もしかして?もしかしてだよ?試験前日勉強しなくていいマンが勉強する事によって、その知識がアタシの頭脳に吸収されアタシが勉強した事と同じ効果がもたらされるって事?つまりは、アタシの代わりにアタシの為に勉強してくれてるって事?少年少女の味方って、そう言う事?」
「違う!」
「マジで帰れっ!」
「試験前日勉強しなくていいマンバリア!」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・おい、試験前日勉強しなくていいマン!」
「何だい?お嬢さん。」
「時計を見ろ!」
「はっ!?」

第九百十九話
「試験前日?いや、0時を過ぎたら試験当日」

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2024年1月31日 (水)

「第九百二十話」

さいご

 

 

ひと

 

 

しんだ

 

だれ

 

 

いなくなった

 

そして

 

さいご

 

 

せんそう

 

 

おわった

 

第九百二十話
「ちきゅうのかち」

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